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    イスラム文化論II
  イスラム教と現代世界
KIKUCHI TATSUYA 
菊地 達也
2単位 
1〜4 
後期 
50303301

 近年イスラム世界と非イスラム世界双方で「他者」に不寛容な「原理主義」的見方が強まっており,イスラム文化との共存というテーマは21世紀の世界における重要な課題となっている。
 このような前提に立ち,本授業では現代のイスラム教と中東イスラム社会が抱える問題点,欧米文化との関わりを考察する。まずはクルアーン(コーラン)の解釈を巡って発生したイスラム思想の三つの潮流について概説した後で,「他者」に不寛容でテロリズムを辞さないイスラム原理主義がどのようにして生まれ,どのような限界を抱えているのか考える。その後は,シーア派,女性差別,ヨーロッパのイスラム教徒移民といった少数派の視点から現代イスラム社会に潜む問題点を分析する。
 なお,中東で入手した物品や映像などを通じて,日頃はなじみの薄いイスラム文化に少しでも親しんでもらう予定である。

評価方法: リアクション・ペーパーとレポート

参考文献: M. リズンイスラーム岩波書店2004

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. クルアーン(コーラン)とムハンマドに関する問題点1
2. クルアーン(コーラン)とムハンマドに関する問題点2
3. イスラム教の三つの潮流:イスラム法学
4. イスラム教の三つの潮流:スーフィズム(イスラム神秘主義)
5. イスラム教の三つの潮流:イスラム哲学
6. イスラム主義(イスラム原理主義):その源流と「西洋の衝撃」
7. イスラム主義(イスラム原理主義):S.クトゥブからビン・ラーディンへ
8. シーア派の成立と発展
9. シーア派とイラン,イラク,レバノン
10. 女性とイスラム教
11. 欧米に暮らすイスラム教徒移民