後期(木・4)時間割表へ
    比較文明論II
  人類の無形文化遺産
AIKAWA-FAURE NORIKO 
愛川-フォール 紀子
2単位 
1〜4 
後期 
50301600

無形文化遺産保護の国際的取組みは2003年に採択されたユネスコ無形遺産保護条約が2006年4月に発効してから本格的に始まったといえる。この条約はいまや70国以上が批准していて2008年には活動が実施される予定。人々のアイデンティティーの基盤となる無形文化遺産とは(行動パターンとして)実行、表現、知識、技術であり、それに関連する楽器、道具、物、工芸、文化空間も含む。分野は表現の媒体としての言語と口承伝統、芸能、社会慣習、儀礼、祭事、自然に関する知識、工芸技術など広範囲にわたる。この授業では無形遺産条約がユネスコで成立した経緯とその内容を考察し、条約施行の課題を考察する。具体的にはユネスコが条約設定以前に試験的に宣言した90の人類の口承及び無形遺産に傑作の中から数例を選んで映像を検証しながら最も適切な保護方法を考察する。DVDをフルに活用した学生の発表(PPT使用)、討論による積極的参加を期待する。  

評価方法: 出席状況、発表、クラス討論への参加状況、レポート

テキスト名: 愛川紀子監修、古田真美著世界無形文化遺産データブックシンクタンクせとうち総合研究機構2006

注意事項: 人数制限:30人まで

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. ユネスコの無形文化遺産の取り組み
2. 条約成立の経緯
3. 条約の内容の解釈
4. 言語表現と口承伝統:イフガオ のフドフド(フィリピン)、ピグミ− 族の口承伝統(中央アフリカ)
5. 言語表現と口承伝統:キルギスの叙事詩  ジャマ エル フナ広場の大道芸人(モロッコ)
6. 芸能:能、カンボジヤの宮廷舞踊、
7. 芸能: ラカラカ の舞踊(トンガ) 、イラクのマカーム
8. 芸能:昆曲、クティヤタム(インド)
9. 儀式祭礼:ザンビアのマキシ、宗廟儀礼(韓国)
10. 儀式祭礼:バランキアのカーニバル(コロンビア)、ドラメツェの仮面舞踊(ブータン)
11. 儀式祭礼:トルコのセーマ(回転するダーヴィシュ)、エルチェの神秘劇(スペイン)
12. 自然と宇宙の知識:カラワヤ(ペルー、ボリビア)、イファ神の予見(ナイジェリア)
13. 工芸技術:タキラ島の織物(ペルー)、ザフィマニリの木彫(マダガスカル)