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英文学研究II 『ヴェニスの商人』研究 |
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『ヴェニスの商人』はどの登場人物の視点から見るかによって、喜劇にも、悲劇にも、問題劇にもなる。 ヴェニスのキリスト教社会のなかで、異教徒で高利貸しのシャイロックは、名前ではなく「ユダヤ人」と呼ばれることのほうが多い。そのアウトサイダーのシャイロックが自分を差別してきたキリスト教徒に復讐しようとしたらどうなるのか? 正統と異端とはなにか? (『ロミオとジュリエット』のジュリエットのように)シャイロックの娘ジェシカは父親を捨て、キリスト教徒の恋人と駆け落ちする。だが愛の問題に、宗教と人種の問題が加わるため、事態はより複雑になってくる。 さらに、父権社会におけるポーシャの「恋愛」結婚と男装をどう解釈するべきなのか? バッサーニオに対するアントーニオの友情と愛を区別できるか? 「ハッピーエンド」にもかかわらず、『ヴェニスの商人』はさまざまな問題を提起している。ジェンダー、人種、宗教、愛、結婚の問題を考えながら、視覚教材も併用して『ヴェニスの商人』解釈の可能性を探る。 |
評価方法: | 平常点とレポートにより総合的に評価する。 |
テキスト名: | William Shakespeare, The Merchant of Venice (Cambridge School Shakespeare), Cambridge UP, 2005 |
参考文献: | ウィリアム・シェイクスピア『ヴェニスの商人』ちくま文庫 |
注意事項: | C基準 |