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    英語意味論
  ことばの意味の仕組みを探る
TANAKA YUJI 
田中 裕司
4単位 
2〜4 
後期 
41100700

本講義では,英語における様々な言語現象を観察・分析しながら,ことばの意味の仕組みについて学んでいく.ここで扱う意味の問題は決して抽象的で難解な問題ではなく,私たちが日常生活において経験するごく身近な問題である.私たちは日頃,ことばを誰かに何かを伝えるために使うのであるから,意味についての理解を深めるということは,ことばというものの本質,そして,そのことばを使う私たち人間という存在の本質を理解するためには不可欠である.このような知的探求にどのような観点から,どのような枠組で取り組めば良いのかを教えてくれるのが意味論である.意味論で扱う問題は多岐にわたるが,その中から本講義では意味研究において必要な基礎的知識を身につけることを主眼とする.まず,「意味とは何か」という問題から始め,語の意味,意味と文法との関係,そして,会話やテクストにおける情報伝達の仕組みについて学ぶ.それから,ことばの意味が時間の経過とともにどのように変化するのか,子供がことばの意味をどのように習得するのか,意味現象が英語と別の言語との間でどのような点で異なり,どのような点で似ているのかという問題を順に取り上げる.

評価方法: 中間試験、期末試験にもとづいて評価する。

テキスト名: 池上嘉彦英語の意味大修館書店1996

  「現代英文法」の単位を取得した学生を対象とする。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. はじめに:日常の言語生活の中の「意味論」
2. ことばと意味(I):ふたつの「意味」
3. ことばと意味(II):「意味」と「指示物」がずれるとき
4. ことばの意味と辞書(I):「記述」と「規則」
5. ことばの意味と辞書(II):「記述」と「規則」
6. ことばの意味と辞書(III):英和辞典と英英辞典
7. ことばの意味と辞書(IV):「外国人のための英英辞典」の与えてくれる情報
8. 語彙の中の意味関係(I):さまざまな意味関係
9. 語彙の中の意味関係(II):意味の比較
10. 文法と意味(I):文法と意味のレベル
11. 文法と意味(II):構文と意味
12. 文法と意味(III):構文と意味
13. 中間試験
14. 意味とコンテクスト(I):「文字どおりの意味」と「伝えられる意味」
15. 意味とコンテクスト(II):伝えられる意味の要素
16. 意味とコンテクスト(III):メタファーの位置づけ
17. 意味の変化(I):意味変化の原因
18. 意味の変化(II):意味変化の仕組み
19. 意味の変化(III):意味変化の方向性
20. 意味の習得(I):意味習得の前段階と意味関係の発達
21. 意味の習得(II):概念形成と意味の組織化
22. 意味の習得(III):比喩的な意味
23. 意味の普遍性と相対性(I):異なる言語間での対応とずれ
24. 意味の普遍性と相対性(II):「親族用語」と「色彩用語」における普遍性と相対性
25. 意味の普遍性と相対性(III):英語と日本語の対照例
26. 期末試験