本書は、日頃何気なく使っている日本語表現やその背景にある意味を改めて考えさせてくれる本である。しかも、平易な日本語と大変おもしろいエピソードが盛りだくさんで読みやすい。電車の中でも読みながら思わず笑ってしまうので、まわりに「怪しい人」と誤解されることもあるかもしれない本である。日本語で書かれた本をまだ1冊も読んだことがないという人でも、どんどん読みたくなってしまうような本である。第一部には、外国人の日本語、いまどきの若者のことばづかい、IT時代のおしゃべりなど日本語のいろいろな種類について書かれている。第二部では、日本人が日本語をどのように使っているのかについて読むことで、日本語表現や言語活動の背景にあるものを考える機会を与えられる。日本語母語話者の学生にとっても、また外国語として日本語を学んできた留学生にとっても、本書を通して言葉や人間について考えたり、自分自身の日本語学習過程をふりかえったりしながら、日本語や日本人についてより一層理解が深まるはずである。すすめ方は、顔合わせ(2回)への参加と履修学生と担当者が参加するML(メーリングリスト)による意見交換を行う予定なので積極的な参加を期待する。日本語の非母語話者、母語話者、また日本語教員養成課程履修者の参加を歓迎する。
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