前期 集中講義へ
    本を読む−2
  
UEDA KAORI 
植田 かおり
1単位 
1〜4 
前期 
30005102

「本を読む」は、一冊の本を読みとおすことを通じて本を読む面白さ、奥深さを体験し、読書する習慣を身につけてもらうことを企図したものである。さまざまな分野の教員が自らの専門の見地から、学生に読んでもらいたい本(新書等)を推薦している。本を推薦した教員は、本に書かれていることを解説するというよりも、読者自身が感動したり気づいたりしたことを、対話によって引き出し、考えを深める手助けをする。この授業を契機として、これからの読書経験を豊かなものにしてほしい。

評価方法: 面談とレポート(1200字程度、採点後返却する)。

テキスト名: 左近司祥子本当に生きるための哲学岩波書店(岩波現代文庫)2004

   皆さんにとって生活している中で最も重要な問いとは何でしょう。最も重要な問いは、きっと、皆さんが生きるということ自体と結びついた問いであることでしょう。実は、そのような問いが生じるとき、哲学が始まるのです。問いは更に進んで、だれもが幸せを望んでおり、それを目指して生きようとするならば、「生きる」ことへの問いは、「幸せに生きる」ことの問いへと繋がっていくでしょう。ところで古代ギリシャ人にとって、幸せに生きることとは、人が「本当に生きる」ことでした。その考え方が私たちの人生の役に立ちうるとして、それでは、「本当に」とはどういうことなのでしょうか。そして「本当に生きる」とはどのように生きることなのでしょうか。
 本書は、日常的な切り口から「本当に生きる」ことをめぐる考察へと読者を導く哲学入門書です。哲学は抽象的で難解な机上の空論と考えている人にこそ読んでほしいと思います。

注意事項: この授業は、教室で定期的に行われるものではなく、本を推薦した教員と受講者との間で個別的に行われる。受講希望者に対する履修説明会を学期初めに開催する。希望者多数の場合は人数制限を行う。課題本を昨年度以前に読んだ者の履修は認めない。
植田個人研究室:1号館2階1236号室