前期(水・3)時間割表へ |
文化人類学研究IB |
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人は生まれるときから死んだ後まで様々な規制の中にある。多くの自然民族で誕生を助けてくれるのは適当な人ではない。生まれると子供の帰属はだいたい、母方の一族か、父方の一族となる。育つのは母方の居住地か、父方の居住地か。一人前になると、結婚相手は気に入った人なら誰とでもとはいかない等々、こうした規制は死んだ後まで続くことになる。文化とは一面で、こうした規制の集大成という見方もできる。 前期では南太平洋の島々によく見られる母系社会についてみてゆく。生まれた子供はその帰属が母方の一族となり、地位・財産は母から娘へと継承される。男は母方と関わる別の継承がある。こうした女性の系統を主とする社会はまた、政治的実権を持つ男性との関わりで、さまざまな軋轢を持つ。講義では、具体例としてパプアニューギニアのトロブリアンド島民を取り上げ、その母系社会についてみてゆく。この島は、20世紀始め、イギリスの社会人類学者B.Malinowskiが調査を行った島として有名であり、主に彼の著作を参考にしながら見ていってみたい。 |
評価方法: | 筆記試験を行う |
テキスト名: | 授業の中で適宜紹介する |