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    言語習得研究
  ことばとこころの発達
MATSUOKA KAZUMI 
松岡 和美
4単位 
  
後期 
91104035

(1) 言語学の下位分野についての基本的な知識を得る。
(2) 言語の生得性・モジュール仮説についての基本的な知識を得る。
(3) 乳幼児の第一言語獲得について、言語のモジュール別に概観する。
(4) 関連分野において注目されている研究対象についての知識を得る。
(5) 異なるモダリティ(手話・音声言語)において普遍的に観察される言語知識の発現についての理解を深める。
(6) 獲得研究の方法論とプロジェクトデザインの進め方を理解する。

評価方法: 出席および授業への参加度 20%
予習文献の発表 20%
レポート 20%
試験 20% x 2

テキスト名: 井上和子・原田かづ子・阿部泰明生成言語学入門大修館書店1999

参考文献: 酒井邦嘉言語の脳科学中公新書 2002
中井悟・上田雅信生成文法を学ぶ人のために世界思想社2004

  (参考文献リストの続き)
『ことばの獲得』 桐谷滋 編 ミネルヴァ書房 (1999)
『子どもたちの言語獲得』小林春美・佐々木正人 編 大修館書店(1997)
教科書は1冊、参考文献は全部で4冊です。参考文献の指定された章をコピーして予習してください。

注意事項: 履修者支援用ホームページを、毎回の授業の前に必ず確認すること:http://web.hc.keio.ac.jp/~matsuoka/

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. オリエンテーション
音声学の基本的知識
2. 音韻論の基本的知識
言語音のカテゴリー知覚・音韻的特徴の弁別能力
3. 乳幼児の言語音の産出・なん語の発達
幼児言語における音韻的規則性
4. 形態論の基礎知識
語彙の獲得(形態規則の適用・過剰一般化・マークマンの制約・アフォーダンス)
5. 試験1およびレポート課題の説明
統語論の基本的知識(WH移動・束縛理論)
6. 統語知識の獲得(言語の生得性とモジュール仮説・刺激の貧困とプラトンの問題)
7. 統語論の獲得における構造依存性(英語の疑問文・束縛原理の獲得)
原理とパラメータのアプローチ(WH移動)
8. 空主語原理と統語知識の獲得
受身形の獲得と成熟仮説(Universal Phrase Requirement)
9. 形式意味論の基本的知識
10. 意味論の獲得1:Symmetrical Interpretation
11. 意味論の獲得2:Scale implicature
12. 養育放棄事例と言語獲得の臨界期
言語の生物学的基盤
13. 社会言語学・ピジンとクリオール
手話学の基礎知識(音韻・形態・統語)
14. 手話の獲得(ホームサイン・手話のクリオール化)
15. 脳科学と言語研究・試験2