人間のコミュニケーション活動は決して自由奔放に行われているものではなく、さまざまな「しばり」の中で大幅に活動を規定されている。その「しばり」の中でも本研究演習では様々な形の「権力」と現代日本社会におけるコミュニケーションの関係について考察する。国家権力は様々な媒体を通じ意味を操作し「日本人」の創出に邁進する。選択された「時計時間」により私たちのコミュニケーションは制約され、行動は権力者の利便の為に秩序立てられる。家庭構成員、学校における教員と学生、医療現場における医者と患者、日本国内における様々な異民族、グローバル化した世界における国々、これらの間には権力の不均衡が存在し、それは両者の間のコミュニケーションにも大きな影響を与える。これらの様々な文脈におけるコミュニケーションにかかわる権力の構造を分析し理解しながら、本演習の受講者一人一人が社会における自分の「立ち位置」を確認し、コミュニケーションを通じた社会との関わりを考えてもらいたい。
授業の進め方 1. 毎回定められたトピックについて討議する。前もって各自テキストを読み、自分の考えをクラスレポートとしてまとめておくこと。それを隔週で提出する。 2. 毎回受講者の一人がリーダーとなり、テキストを要約しクラスディスカッションを進める。
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