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地域研究A 「地域」をよみとく方法 |
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外国語を専攻する学生なら誰でも、語学力を身につけようと勉強するが、やがて「この語学を使って自分は何がしたいのか?」という疑問にぶつかるだろう。政治経済、宗教、教育、民族文化、芸術など、どんな分野でも、言語+アルファの専門分野(ディシプリン)をもつことではじめて研究として、また職業としてなりたつ。 「地域研究」とは、こうしたさまざまな専門分野の手法をもちいた学際的(インターディシプリナリー)な研究をさす。この講義では外国語を学ぶ者として、先入観やステレオタイプにとらわれない「多角的視野」から国際社会を理解できるようになることをめざそう。 講義日程は下記の(1)〜(4)の段階にわかれる。地域研究の具体的な方法や、自分の選んだ対象地域の分析といった「地域のよみかた」を身につけ、それらを今後の留学や現場での活動に応用するために調査実習で確認してみよう。 (1)講師の高木が、もともと小国や後進国への対外政策としてうまれた地域研究のなりたちと、それを現代社会の研究にどう応用するのか、そして語学や現地調査の重要性などを、講師の専門である南米諸国を中心に解説する。 (2)黒崎が、近代以降の世界に支配的な影響力をおよぼしてきた欧米で、どのように人種差別や人種観が形成されてきたのか、またそれが日本その他の国々にもうけつがれてきたかを、講師の専門である米国の黒人問題を中心に検討する。 (3)ここまでで、複数地域を比較して共通性や特殊性をみつけだし相対化する、「地域のよみかた」を学んだので、その応用として異なる地域や専門分野にもふれてみたい。今年度は、土田から多くの学生が属する「日本人」を一例として自文化をふりかえって考えるこころみを、また菊池から近年世界に急速に広がりつつあるイスラームという「異文化」をどうよみとくかを講義する予定。 (4)以上の段階を応用するため、奥島の講義では参加者の希望や専攻にそって調査対象地を選び、現地についての資料集め、現場観察やインタビュー、報告書作成と発表などを実習してみよう。その中では、データの信憑性を検証したり、現場関係者への礼儀、調査班内のチームワークなどを学ぶことも目標とする。(*調査地例については、昨年度までの学生による調査報告集なども参照のこと) |
評価方法: | 出席、参加姿勢、各講師による課題(リアクションペーパー、レポート、グループ発表など)の総合評価とする(詳細は授業初回で説明)。期末試験はとくに希望がない限り行なわない。 |