タイの政治・経済I 
NATENAPHA WAILERDSAK/FUNATSU TSURUYO 
ネーナパー・ワイラートサック・船津鶴代
2単位 
2〜4 
後期 
アジア経済論(タイ経済論)
56001800

近・現代タイ経済の発展パターンとその特徴について講義する。前半はキャッチアップ型工業化論の概念をもとに、タイ及びアジア諸国で起きた「東アジアの奇跡」から「アジア通貨経済危機」への劇的な変化を説明する。後半は現在のタクシン政権のドゥアルトラック政策を紹介し、さらに、日本と比較しながら、タイをとりまく社会問題(少子高齢化社会、教育問題、FTAなど)の現状について講義を進める。最後に受講生による自身が関心をもつ課題に関しての報告をもとに議論を行う。
尚、タイ経済だけではなく、日本経済や世界経済についての理解を深めることも目的とする。      

評価方法: 出席・小テスト(毎回):70%
レポート提出・報告:30%


参考文献: 末廣昭キャッチアップ工業化論:アジア経済の軌跡と展望名古屋大学出版会2000
Natenapha Wailerdsak, Managerial Careers in Thailand and Japan, Silkworm Books, 2005


注意事項: 12月2日(土)、9日(土)、16日(土)プレゼンテーション・ルーム(16日のみ教室は1-204)2〜5限 ネーナパー・ワイラートサック・船津で行う

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1. 授業のガイダンス:タイと日本の政治的・経済的関係
2. 60〜70年代:開発主義、輸入代替・輸出指向型工業化
3. 80〜90年代(奇跡/ミラクル):産業政策と自由化、外国直接投資、バブル経済
4. 工業化の担い手:国営企業、地場企業(華人系)、外資系企業
5. 経済発展の光と影:成長率対経済社会問題
6. アジア通貨経済危機(メルトダウン)
7. タクシン政権のドゥアルトラック政策(タクシノミックス)
8. 少子高齢化社会と社会保障制度
9. 教育制度と労働市場:学歴社会と就職の実態 
10. 自由貿易協定(FTA)と外国人労働者問題
11. 受講生による発表1
12. 受講生による発表2