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    民族と文化I(a)C
  民族と無形文化遺産
AIKAWA-FAURE NORIKO 
愛川-フォール 紀子
2単位 
1〜4 
前期 
50302303

無形文化遺産は民族の価値観や精神生活を表現しているため民族のアイデンティティーの象徴と見做される。ユネスコが2003年に採択した無形文化遺産条約は、30国の批准を経て2006年に発効した。1993年にユネスコで無形文化遺産のプログラムが設立して以来このプログラムの担当部長としてパリのユネスコ本部に勤務して条約作成に従事した経験を踏まえて、無形文化遺産条約成立への過程を語ろう。条約作成以前にユネスコは既に90に上る人類の口承無形遺産の傑作を指定してきた。その中から代表的な実例をあげて具体的に無形文化遺産を詳細に検証する。DVDをフルに活用する。  積極的なクラス討論を期待する。

評価方法: 出席状況、発表、クラス討論参加状況、レポート

テキスト名: プリント配布

注意事項: 定員30人

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 「文化」とは何を意味するか?国際社会ではどのように理解されているか?
2. 「文化遺産」の概念の変遷とユネスコの文化遺産保護活動
3. 1945年ユネスコ設立時から今日まで、無形文化遺産はどのように位置付られて来たか?
4. 無形文化遺産と政治
5. 無形文化遺産と先住民族少数民族
6. 無形文化遺産と知的所有権
7. 無形文化遺産保護条約が成立する過程、条約の意義と役割
8. 口承伝統の例:モロッコのジャマルエルフナ広場のストリーテラーや大道芸人、キルギスタンの叙事詩語り
9. 伝統芸能の例:サンスクリット劇クチヤタム(インド)、人形浄瑠璃文楽、ロダのサンバ(ブラジル)、グルジアのポリフォニー合唱
10. 祭りと儀式の例:ウルロのカーニバル(ボリビア)、ドラミツ仮面舞踊(ブータン)、イフェの神界(ナイジェリア)
11. 伝統知識の例:アンデスのコスモヴィジョン:カラワヤ文化、バヌアツの砂絵
12. 伝統工芸知識:リトワニアの木製十字架制作、タキレ島(ティティカカ湖、ペルー)の手織物
13. 無形文化遺産保護の将来の課題