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    比較思想I
  比較思想とは何か
UEDA KAORI 
植田 かおり
2単位 
1〜4 
前期 
50301900

「昔は互いに孤立していたように見える諸々の文化圏が今日では密接な関係をたもち思想の交流が敏活に行われるようになったために、われわれは否でも応でも異なった思想に身をさらし、そのどれかを採用するように決断を迫られている」。中村元がこのように書いたのは1960年であるが、その示すところは今も全く意義を失っていない。それどころか、インターネットの普及に代表されるように様々な情報が氾濫する現在の我々にとってはむしろ一層、切迫した問題であるとも言えるのである。我々は、もしかしたら、ほとんど意識せずに異文化をどんどん摂取しているのかもしれない。摂取することが良いか悪いかは問題ではない。その際に、異文化を異文化として見ること、自分の背景にある文化を相対化して見ること、このことこそが大事なのではないか。これらのことを念頭において、比較思想の考え方を学び、思想や文化を相対化する観点を身につけたい。

評価方法: 試験を中心に評価する。

参考文献: 中村元比較思想論1981

  参考文献は適宜教室で指示する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. イントロダクション:「比較する」とはどのようなことか。
2. 「相対化」とはどのようなことか。
3. 比較思想の諸概念
4. 比較思想の定義
5. 西洋古代の比較思想
6. 西洋近世の比較思想
7. 現代の比較思想の始まり
8. 現代的「相対主義」の問題
9. 中村元『比較思想論』梗概1
10. 中村元『比較思想論』梗概2
11. 中村元『比較思想論』梗概3
12. 中村元『比較思想論』梗概4
13. 比較思想の現代的課題