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    中国史概論I
  
KUBOTA YOSHITAKE 
久保田 善丈
2単位 
1〜4 
前期 
42301300

基本的には近代中国の通史を扱う。しかし、近代以降、歴史が一国で完結することはありえず、当然ながらアジア諸地域、欧米との関係をふまえながらの講義となる。そして、その際最も重視するのは互いの「まなざし」である。「我々」はあるいは「彼等」は中国をどのように捉えてきたのか、なぜそのように捉えるのか、その「まなざし」には「我々」や「彼等」のいかなる欲望が作用しているのか。同様に、中国は「我々」や「彼等」をどのように捉えてきたのか・・・。このことは、今も根強く残る「我々」自身の19世紀的ヨーロッパ的価値観と向き合いながら中国の近現代史を見つめ直すことを意味するのである。

評価方法: 講義中心だが、授業毎に200字程度の「ミニレポート」に取り組むことになる。そこでは授業を通じて獲得したはずの発想によって歴史上の問題に対応していく。したがって評価は、「ミニレポート」、レポートを総合して行われる。

テキスト名: 特定のテキストは使用しない。主要参考文献をその都度提示。必要な資料は授業毎にコピー配布。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. イントロダクション
「我々」を縛る価値観の由来―民主と専制、あるべき身体
2. 「我々」を縛る価値観の由来―追い詰められる「不潔」
3. 中国の文明観とヨーロッパの文明観
清朝についての基本情報(政治体制)
4. 清朝についての基本情報(中央・地方関係、民族)
5. アヘン戦争と中国イメージ
19世紀イギリスとアヘン貿易
アヘン貿易と中国
6. 「野蛮化」される中国
中国と南京条約
7. 欧米と南京条約
アヘン戦争と「野蛮な中国」イメージ
温存される中国イメージ
8. 太平天国の乱と中国イメージ
太平天国についての基本情報
2。太平天国と中国イメージ
9. アロー戦争と中国イメージ
アロー戦争についての基本情報
アロー戦争と太平天国鎮圧
10. 天津条約
侵略と「野蛮化」
11. 洋務運動と中国イメージ
総理衙門
李鴻章と外交
12. 洋務運動の成果
文明化の使命と洋務運動
13. 清仏戦争と中国イメージ
ヴェトナムと中国
フランスとヴェトナム
14. カトリック布教問題
近代化をめぐるデマの世界
15. まとめと展望
レポートについて
演習―レポートのために