後期(金・5)時間割表へ
    米国外交論II
  
SAITO NAOKI 
斎藤 直樹
2単位 
1〜4 
後期 
41404200

「戦争の世紀」としばしば呼ばれる20世紀はまた「アメリカの世紀」とも呼ばれる。これには確かな根拠がある。第一次世界大戦は大戦で著しく疲弊した欧州諸国に代わり、米国を大国の座に押し上げた。そして第二次大戦を契機に超大国となった米国は冷戦時代、ソ連との熾烈な冷戦を繰り広げた。1991年12月のソ連の解体に伴い冷戦が終結すると、唯一の超大国として文字通り世界に君臨していると言える。他方、2001年9月に起きた「同時多発テロ事件」は米国に計り知れない衝撃を与えることとなった。その後、米国は単独行動主義路線を突き進んでいるとしばしば批判される。こうした理解に立ち、米国外交論IIは米国外交論Iに引き続き、カーター、レーガン、父ブッシュ、クリントン、ブッシュ政権までの外交政策の特徴を踏まえ、どのような外交政策が展開されてきたかについて考察したいと考える。

評価方法: 出席30%、レポート30%、試験40%

テキスト名: 斎藤直樹イラク戦争と世界現代図書2004

参考文献: 斎藤直樹検証イラク戦争三一書房2005

注意事項: 米国外交論Iを履修済みであることが望ましい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. オリエンテーション−授業の進め方ならびに成績評価の基準について説明する。
2. カーター政権の外交政策―人権外交、第二次戦略兵器制限条約、ソ連のミサイル配備、ソ連のアフガニスタン侵攻事件、米ソデタントの崩壊
3. レーガン政権の外交政策(1)レーガンの登場と米ソ関係の緊張、戦略防衛構想
4. レーガン政権の外交政策(2)ゴルバチョフの登場とペレストロイカ、イラン・コントラ事件
5. レーガン政権の外交政策(3)米ソ協調、INF全廃条約、第一次戦略兵器削減条約
6. 父ブッシュ政権の外交政策(1)東欧の民主化、ソ連の崩壊、冷戦の終焉
7. 父ブッシュ政権の外交政策(2)湾岸戦争と新世界秩序、第二次戦略兵器削減条約
8. クリントン政権の外交政策(1)ソマリア紛争、旧ユーゴスラビア紛争、パレスチナ和平(オスロ合意)
9. クリントン政権の外交政策(2)北朝鮮問題(米朝枠組み合意)、イラク問題、コソボ紛争
10. ブッシュ政権の外交政策(1)「同時多発テロ事件」の衝撃と対テロ戦争、多国間協調主義と単独行動主義の相克
11. ブッシュ政権の外交政策(2)アフガニスタン攻撃、イラク問題
12. ブッシュ政権の外交政策(3)イラク問題
13. ブッシュ政権の外交政策(4)イラク問題
14. ブッシュ政権の外交政策(5)北朝鮮問題
15. まとめ