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    米国外交論I
  
SAITO NAOKI 
斎藤 直樹
2単位 
1〜4 
前期 
41404100

「戦争の世紀」としばしば呼ばれる20世紀はまた「アメリカの世紀」とも呼ばれる。これには確かな根拠がある。第一次世界大戦は大戦で著しく疲弊した欧州諸国に代わり、米国を大国の座に押し上げた。そして第二次大戦を契機に超大国となった米国は冷戦時代、ソ連との熾烈な冷戦を繰り広げた。1991年12月のソ連の解体に伴い冷戦が終結すると、唯一の超大国として文字通り世界に君臨していると言える。他方、2001年9月に起きた「同時多発テロ事件」は米国に計り知れない衝撃を与えることとなった。その後、米国は単独行動主義路線を突き進んでいるとしばしば批判される。こうした理解に立ち、米国外交論Iは20世紀初頭の各政権に続き、ルーズベルト、トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード政権までの各政権の外交政策の特徴を踏まえ、どのような外交政策が展開されてきたかについて考察したいと考える。

評価方法: 出席30%、レポート30%、試験40%

テキスト名: 斎藤直樹現代国際政治史(上・下)北樹出版2002

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. オリエンテーション−授業の進め方ならびに成績評価の基準について説明する。
2. 米国外交政策の伝統−孤立主義と国際主義
3. ウィルソン政権の外交政策−米国と第一次世界大戦
4. 1920年代の共和党政権の外交政策
5. F・ルーズベルト政権の外交政策(1)第二次世界大戦に至る道、日米開戦と第二次大戦への参加
6. F・ルーズベルト政権の外交政策(2)米国と太平洋戦争、カイロ・テヘラン・ヤルタ会談
7. トルーマン政権の外交政策(1)ポツダム会談と第二次大戦の終結、米ソ冷戦の勃発、「封じ込め」政策とトルーマン・ドクトリン、マーシャル・プラン、NATO(北大西洋条約機構)の成立
8. トルーマン政権の外交政策(2)対日占領政策、中国の共産化、朝鮮戦争、日本の再軍備、軍拡競争
9. アイゼンハワー政権の外交政策(1)大量報復戦略、 東南アジアへの介入
10. アイゼンハワー政権の外交政策(2)中東への介入、ソ連との平和共存
11. ケネディ・ジョンソン政権の外交政策(1)ベルリン危機、キューバ危機
12. ケネディ・ジョンソン政権の外交政策(2)ベトナム戦争への介入
13. ニクソン・フォード政権の外交政策(1)ベトナム戦争の収拾、第一次戦略兵器制限条約、米ソデタント、米中接近
14. ニクソン・フォード政権の外交政策(2)ベトナム戦争の終末、米ソデタントの動揺、第三世界をめぐる米ソの対立
15. まとめ