後期(火・4)時間割表へ
    日米比較教育論
  
KITAHARA KENZO 
北原 賢三
2単位 
1〜4 
後期 
41303300

日本と米国との教育制度を主に大学・大学院などの高等教育分野を中心に相互の歴史や文化あるいは社会を比較し、教育が果たしている社会での役割を考えていきたい。日本の学生が米国の教育制度を深く考えずに留学することが通常であろうが、教育に対する考え方は異なる点が多い。特に、教育が個人をどのように変容させるかを日米の異文化に視点をあてて議論してみたい。さらに、幼稚園から高校までの教育制度も視野に入れ、政治的経済的な政策として教育内容がどのように変遷してきたかを社会的歴史的な観点からも検討してみたい。また、近来のグローバリゼーションというインフォメーションテクノロジーの飛躍的な進歩を基礎にした世界的な経済変化のなかで教育がいかに変化しているのかを個人の発達に視点をあてて考えていきたい。比較教育の授業を通して教育の本質が少しでも理解できるように授業を組み立てていこうと思う。将来、教職につきたい学生や、教育制度と個人の関係に興味のある学生はぜひ出席してほしい。

評価方法: 出席:30%、レポート中間:20%、レポート期末:30%、プレゼンテーション:10%、積極的な授業態度:10%

テキスト名: テキストは指定しない。参考文献は授業のなかで適宜、指示する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 米国建国過程での大学の創造:キリスト教との関係
2. 米国的大学ができあがる過程:多数の米国人のドイツ留学、キリスト教主義から科学主義へ、州立大学の発展
3. 学問の自由:反共政策、ベトナム戦争、東西冷戦
4. 公民権運動と大学
5. 特定人種保護政策(Affirmative Action)について:人権政策と大学制度
6. 米国高等教育の構造(1)政府との関係:連邦政府と州政府、日米の比較
7. 米国高等教育の構造(2)高等教育(大学・大学院等)の組織:プロフェッショナルについての考え方、日米の比較
8. 米国高等教育の構造(3)大学評価:評価に対する異文化的差異、日米の比較
9. 米国高等教育の構造(4)教員制度:資格、日米の比較
10. 米国高等教育の構造(5)大学経営:予算、日米の比較
11. 教育環境:ケーススタディー、ハーバード大学、スタンフォード大学、カリフォルニア州立大学機構、留学生政策、高校との関係
12. 米国高等教育の直面する現代的課題:学問の自由、人権問題
13. 大学自治と社会的責任
14. 米国高等教育とグローバリゼーション:日本の教育の課題
15. 米国教育制度の日本への影響:特に第二次大戦後の憲法、教育基本法制定について