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教養演習-1 法学(法と平和) |
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ある法学者は、「法の目標は平和であり、それに達するための手段は闘争である」と言っている(イエーリング『法=権利のための闘争』)。現在の日本政府は、戦後の歴史の中でこれまでの平和路線を切り替え、国連常任理事国となって積極的に「国際貢献」を果たそうとしている。だが、現憲法は武力による平和を否定しているため、憲法の改正が必要とされる。この路線変更は、法の目的にかなったものであるのだろうか。 こうしたことを考えるために、平和的国際社会を築く方策としてこれまでに提起されてきた人間の英知に学ぶことを主眼としたい。共通文献として、カントの「永遠平和論」を取り上げる。その内容は、最近ある雑誌で現代日本語による分かりやすい「新訳」がなされているので、それも参考にしながら、世界平和のための国際連合構想の意義を考えたい。受講者は、この他に最低1冊は関連する文献(参考文献を参照)を読み、報告することが求められる。 |
評価方法: | 出席および発言状況と最後に提出されるレポートによって評価する(出席3割、積極性2割、レポート5割)。 |
テキスト名: | I. カント『永遠平和のために』岩波文庫 |
参考文献: |
高橋哲哉『靖国問題』ちくま新書、2005年 長谷部恭男『憲法と平和を問いなおす』ちくま新書、2004年 最上敏樹『人道的介入』岩波新書、2001年 |
参考文献にあげたものは、あくまで例示である。 |
注意事項: | 演習であるから、出席と積極的な発言、研究、報告が求められる。初学者にも読みやすいようにという配慮から、テキストも参考文献も新書や文庫を選んである。まずは自分で読んでみることが必要。 |