地域・国際研究演習-5
  メキシコ研究・ラテンアメリカ地域文化研究
YAGINUMA KOICHIRO 
柳沼 孝一郎
4単位 
3〜4年 
通年 
60401805

ラテンアメリカの地域文化を研究する当研究演習(ゼミナール)では、メキシコの歴史・文化・社会・政治経済などメキシコに特化した「メキシコ地域文化研究」グループと、メキシコを除くラテンアメリカ諸国の歴史・文化・社会・政治経済など「ラテンアメリカ地域文化研究」グループの2グループ制でゼミを運営する。特に、「メキシコ地域文化研究」は「日墨政府交換留学生」の受験を考えている学生諸君にとっては得るところの多い研究グループとなろう。昨年末に、待望の「日本メキシコ自由貿易協定(FTA)」の合意を機に、日本とメキシコ両国の政治・経済・貿易・文化関係、人的交流がより一層盛んに展開され、現在、メキシコ市場に進出する約400社の日本企業を中心にさらに貿易・資本投資関係なども一層の活性化が期待されるからである。さらには、チリとの自由貿易協定あるいは日本・ブラジル修好通商航海条約が100周年を経て、日本人ブラジル移住100周年を2008年に迎える今、南米諸国との諸関係はますます盛んに展開されると予想される。こうしたことを踏まえ、メキシコおよびラテンアメリカ地域に対してあらゆる観点からアプローチをかけ、総合的に研究するのが本研究ゼミである。
卒業論文の基礎研究であり、各自が主体的かつ積極的に取り組むべきは言うまでもないが、文献精読を通して分析能力を養い、2年間かけて、学生生活の集大成とも言うべき「卒業論文」を是非、書き上げるよう願ってやまない。授業は具体的には以下の要領で進める。
<前期>
基礎文献の講読を通して、各自、「研究テーマ」を模索し、設定する。
資料文献収集(アジ研ツアー:アジア経済研究所・附属図書館にて資料文献収集を実施する)。
資料文献一覧の作成。
「研究テーマ(研究題目)」の提出。
*尚、4年次生は、「卒業論文」登録、「卒業論文仮題目」の提出に向け、準備する。
<後期>
順番に(ゼミ論文、卒論を問わず)「中間研究報告」を実施する。
4年次生は卒論執筆にあたる(論文の書き方などについては授業の中で説明する)。
11月中旬に卒業論文の中間報告を提出(卒論の進捗状況に応じて、卒論にするか、ゼミ論文にするか決定する)。
12月中に卒論を完成させ、翌年の1月上旬に卒論を提出する。
1月下旬にゼミ論文の提出。
卒業式、当日に卒業論文集『ラテンアメリカ論集』を配布する。
<基礎文献一覧>(各自の研究テーマに応じて選択されるが、詳細な文献は授業時に随時、発表する)
(以下の出版社はいずれも「新評論」、発行年は省略)
国本伊代『改訂新版・概説ラテンアメリカ史』
国本伊代『メキシコの歴史』
国本・中川『ラテンアメリカ研究への招待』
松下・乗編『ラテンアメリカ 政治と社会』
小池・西島編『ラテンアメリカの経済』
細野・畑『ラテンアメリカの国際関係』
水野・西沢『ラテンアメリカ 環境と開発』
サブロフ(青山訳)『新しい考古学と古代マヤ文明』
加藤薫『ニューメキシコ〜第四世界の多元文化』
中川・三田『ラテンアメリカ 人と社会』
奥山・角川編『ラテンアメリカ 子どもと社会』
アンドラーデ・中牧『ラテンアメリカ 宗教と社会』
国本編『ラテンアメリカ 新しい社会と女性』
国本・乗編『ラテンアメリカ 社会と女性』
三田・奥山編『ラテンアメリカ 家族と社会』
国本・乗編『ラテンアメリカ 都市と社会』
D・ワーナー/D・サンダース(池住・若井監訳)『いのち・開発・NGO〜子どもの健康が世界を変える』
佐野誠『開発のレギュラシオン〜負の奇跡、クリオージョ資本主義』
遅野井・志柿・田島・田中編『ラテンアメリカ世界を生きる』
加茂雄三編『ラテンアメリカ(国際情勢ベーシックシリーズ』、自由国民社、1999年。

評価方法: 平常の取り組み姿勢、中間報告(発表)、ゼミ論文(3年次生、4年次生)、卒業論文(4年次生)などにより総合的に評価する。