言語研究演習-3
  日英語の比較研究:構文と意味について考える
KUWABARA KAZUKI 
桑原 和生
4単位 
3〜4年 
通年 
60101003

主に英語と日本語の文構造と意味の関係について考える。種々の言語現象の分析を通して、その特徴を理解・把握するとともに、脳中に存在し、言語の「創造的使用」を可能にしている「言語の仕組」とはどのような要素から構成されているのか、日本語と英語にはどのような共通点、相違点があるのか、といった言語の本質に関わる問題を探求する。
言語現象の分析の実際を体験することにより、データを収集し、それを観察する力を養い、問題を設定する方法、仮説を立てそれを論証する方法を学ぶ。また、言語学関連の文献を読みこなす力、口頭発表の技術を身に付ける。
言語の不思議についてじっくり考えてみたい人、英語や日本語についてあれこれと考えることの好きな人の履修を歓迎する。 

評価方法: 授業への取り組み態度、口頭発表、レポートなどを総合的に評価する。 

テキスト名: レイ・ジャッケンドフ心のパターン岩波書店2004
マーク・C. ベイカー言語のレシピ:多様性にひそむ普遍性をもとめて岩波書店2003
竹沢幸一・John Whitman格と語順と統語構造研究社出版1998

注意事項: 「英語統語論I」の単位を取得済み、もしくは前期に同時履修することが望ましい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.生まれと育ちの論争:言語の生得説をめぐって
2.メンタル文法の構成:音韻構造
3.メンタル文法の構成:統語構造
4.メンタル文法の構成:アメリカ手話
5.こどもはどのようにして言語を習得するか
6.普通でない状況での言語獲得
7.言語と脳
8.言語以外のメンタル能力(1)
9.言語以外のメンタル能力(2)
10.言語以外のメンタル能力(3)
11.コード・トーカーの逆説
12.アトムの発見
13.多総合的言語の焼き方
14.合金と化合物
15.言語の周期表に向けて
16.なぜパラメータ?
17.句構造と語順
18.格の役割と英語の格付与
19.日本語の主格と対格
20.状態述語文と関連構文(1)
21.状態述語文と関連構文(2)
22.日英語における語順と言語の普遍性
23.主語の位置と機能範疇
24.日本語の句構造を見直す