ベトナム総合研究III
  ベトナム戦争と現代政治
ENDO SATOSHI 
遠藤 聡
2単位 
2〜4年 
後期 
56001200

「9・11」以降、世界は「新しい戦争」の時代に入ったかの感さえある。またイラク情勢の泥沼化の中で、戦争の「ベトナム化」が叫ばれたことは記憶に新しい。その一方で、ドイモイ以降、「普通の国」としてみられるベトナムにおいて、社会・文化・経済の大きな変化は注目されるものの、政治面における「小さな変化」は洞察されがたい。本授業では、ベトナム戦争の今日的意義とベトナム現代政治の深層を探っていきたい。

評価方法: 中間試験(30%)、期末試験(70%)

テキスト名: 遠藤聡ベトナム戦争を考える明石書店2005

参考文献: 今井昭夫、岩井美佐紀(編著)現代ベトナムを知るための60章明石書店2004
坪井善明ヴェトナム現代政治東京大学出版会2002
石井貫太郎(編著)発展途上国の政治的リーダーたちミネルヴァ書房2005
石井貫太郎(編著)現代世界の悪役列伝芦書房2005
古田元夫歴史としてのベトナム戦争大月書店1991

  授業中に紹介する参考文献を読むことによって、各自の興味を広げてほしい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.ガイダンス
2.20世紀とベトナム戦争
3.現代史の中のベトナム戦争
4.米ソ冷戦の中のベトナム戦争
5.中ソ対立の中のベトナム戦争
6.アメリカの戦争としてのベトナム戦争
7.「ベトナム」の戦争
8.難民問題の背景
9.カンボジア紛争の真相
10.ドイモイの政治的意味
11.「ホーチミン思想」登場の意味
12.政治的民主化の実情
13.法治国家化の実情
14.ベトナム政治の行方
15.まとめ