現代日本文学論 近代の戦争の表象/現象 |
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テーマ:「戦争と文学:20世紀の記憶」 振り返ると20世紀は世界が戦争に満ち、そしてそれを自覚的に記憶/表象して次世代に伝えようとした時代であったと言えよう。戦争の記憶は決して戦争当事者だけの問題ではなく、戦争を知らない「わたしたち」がいま直面しているグローバリゼ−ションやIT革命あるいは憲法改正問題といった社会問題にいかに対応すべきかを考える際にも、決して忘れてはならない歴史認識である。実際第二次世界大戦には何億の人々がこれに関わり、世界中の多くの人々がこの歴史的現象を観察したのである。 この授業では第二次世界大戦の集団的記憶が日本の文学作品のなかでどのように表象されているかを検証するとともに、これらの戦争文学が最近取り上げられている戦争論や戦争責任論について考察する際にどのような論点を提供してくれるかを考えてみたい。 主なる文学テクストと参考文献は以下のものとなる予定。 井伏鱒二 『黒い雨』 大岡昇平 『野火』『レイテ戦記』 野間宏 『真空地帯』 高橋哲哉 『戦後責任論』 加藤典洋 『敗戦後論』『戦後的思考』 安彦一恵、魚住洋一、中岡成文編 『戦争責任と「われわれ」』 多木浩二『戦争論』 西谷修『戦争論』 |
評価方法: | 各々のテクストのレヴューと学期末試験の総合評価とする。 |