人権論B
  現代の人権問題
AOYAMA HARUKI 
青山 治城
2単位 
1〜4年 
後期 
50500602

「人権」の概念は、法的、道徳的、政治的とさまざまに異なる意味で用いられ、そこにはある種の混乱も見られる。しかし、人権の歴史を振り返ると、そこにはやむを得ない事情もある。「人権」の概念には、フランス型「自然権」思想に基づく系譜とアメリカ型「抵抗権」思想に基づく系譜がある。
本講義では、若干の人権思想史を踏まえた上で、具体的な場面から現代における「人権」の意義と問題点を考えていきたい。

評価方法: 出席と試験の総合評価。できるだけ毎回、理解度をはかる小レポートを書いてもらう予定。

テキスト名: 川人 博現代の人権(第3版)日本評論社2004

  基本的に共通テキストを使って授業を進めるが、新しい問題や論点もあるので、その都度資料やビデオを参考にする。

注意事項: 原則として期末の筆記試験によるが、基本的に毎回、感想と質問を記した小レポートを書いてもらうので、出席が重視される。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.はじめに:人権の概念
2.人権の歴史:身分権、市民権、国民の自由、社会権
3.企業社会と人権:過労死、雇用と社会保障
4.環境と人権:自然および将来世代の人権?
5.医療と人権:インフォームド・コンセント、自己決定、医療過誤
6.刑事手続きと人権:被疑者・被告人の権利と被害者の権利
7.報道(IT)と人権:報道の自由と報道被害
8.プライバシーと自己決定:自由と安全
9.外国人の人権:異人排除、難民保護、国籍、出入国の自由?
10.こどもの人権:文化享有権、母語教育の権利、意見表明権
11.女性の人権:男女平等、男女共同参画
12.消費者の人権:情報開示、適正表示、クーリング・オフ
13.国際社会と人権:各種の国際人権条約