情報社会論IIC
  ジャーナリズム論
NAGAI HIROSHI 
永井 浩
2単位 
1〜4年 
後期 
50404203

情報化時代を迎え、わたしたちには多様なメディアから発信される膨大な情報を主体的に読み解く力、つまりメディア・リテラシーが不可欠とされている。ジャーナリズムという視点から、情報を通じて社会の動きと問題を複眼的にとらえる目と、自らが情報を発信する力を養いたい。

評価方法: 期末の試験・レポートを中心にその他の要素も加味する。

テキスト名: テキストは特になし。参考文献や資料を授業中に適宜紹介する。

注意事項: 新聞やテレビなどの報道・番組を自分でメディア・ウォッチするようこころがけてほしい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.ジャーナリズムとは何か
ジャーナリズムの発展過程とその役割・機能。メディアを取り巻く今日的状況
2.メディア・リテラシー
「情報」と「真実」の落差。新聞記事と映像情報の作られ方
3.報道と人権(1)
「報道被害」の増大。犯罪報道の問題点。言論の自由と人権保障の調和。
4.報道と人権(2)
両刃の剣としてのメディア。報道被害者の救済システム
5.政府のメディア規制の動き
人権擁護を名目とした公権力のメディア介入の危険性
6.メディアと権力
「9・11」と米国メディア。権力と情報操作。ジャーナリズムと国益のあいだ
7.戦争とメディア
戦争の最初の犠牲者は真実。ベトナム戦争報道と湾岸戦争報道。日本のメディアの戦争報道責任
8.米国メディアの変質
「9・11」報道をめぐる論議。「中東のCNN」アルジャジーラの視点
9.メディア環境の変容とジャーナリズムのゆくえ
マルチメディア時代と情報産業の巨大化。ジャーナリズム精神の衰退と民主主義の危機
10.国際報道の政治経済学
メディアのグローバル化。情報のアメリカニゼイションと「文化帝国主義」への反発
11.ジャーナリズムの再生をめざす動き
売れる情報優先か硬派ニュース重視か。パブリック・ジャーナリズムの挑戦
12.インターネット・メディアの可能性と課題
市民によるグローバルな情報発信。ネット情報の信頼性。不透明な産業モデル