国際関係論IIB
  グローバリゼイション下の世界
NAGAI HIROSHI 
永井 浩
2単位 
1〜4年 
後期 
50401002

モノ・カネ・ヒト・情報が自由に国境を越えて移動するグローバリゼイションの動きは国際社会に何をもたらそうとしているのか。その光と影の両面を理解することで、真の「発展」や「平和」とは何か、そのためにわたしたちに何ができるのかを考えてみたい。

評価方法: 期末の試験・レポートを中心にその他の要素を加味する。

テキスト名: テキストは特になし。参考書は授業中に適宜紹介する。

注意事項: 「国際関係論B」のあとに「B」を受講するのがのぞましい。
メディアの国際ニュースに接するようこころがけてほしい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.グローバリゼイションとは
その背景と多面的な性格。国際関係の変容
2.資本主義経済のグローバル化
市場経済の基本的論理。多国籍企業の影響力の増大とその功罪
3.WTO(世界貿易機関)の発足
中国のWTO加盟の明暗。WTO体制への国際的な抗議の高まり
4.国家をゆるがすグローバル・マネー
アジア通貨・経済危機。巨大マネーをどうコントロールするか
5.地域統合の進展
消える「経済の国境線」。EU(欧州連合)の誕生。南北米大陸・アジア太平洋の地域連合
6.南北格差の拡大
地球上の富の不平等分配の背景。南北問題の展開。
7.「9・11」と貧困問題
なぜイスラム原理主義(イスラム復興運動)なのか
8.「構造的暴力」をなくすために
「平和学」とは。先進国の援助。NGOの南北協力。中心・周辺モデル
9.深刻化する地球環境の破壊
西欧近代技術文明の代償。市場経済と環境破壊。環境問題の複雑さ。
10.地球環境を守るために
リオ・サミットから京都議定書へ。米国の京都議定書からの離脱
11.反グローバリゼイション運動の高まり
反グローバル化の論理。NGOの「地球市民」的連帯
12.平和のグローバル化へ向けて
国家、国際機構、企業、NGOの相互協力。課題としてのグローバル・ガバナンス