異文化コミュニケーション論IIC
  
WADA JUN 
和田 純
2単位 
2〜4年 
後期 
50200403

●本講義では、21世紀に求められる「多文化共生」の意味を、特に日本に引きつけて考える。文化の多様性を尊重し、多文化の共生を目指すのは当然のことと言ってよいが、実際には、多様な価値観や文化の共生は容易ではない。お互いに我慢しあいながら相手を受入れ、相手に受入れてもらうために自分の価値観を変えざるをえないからだ。「いごこちの悪い共存」というのが実態に近いだろう。そうしたなかで問われる国家、民族、言語、文化、歴史の記憶、忠誠心、アイデンティティといった要素を、歴史を踏まえながらグローバルな視点から複合的に考察する。
●素材としては、戦争・植民地支配といった強制を伴う場合や、移住・移民といった自ら選択する場合などの具体例を取り上げるが、定住外国人が急速に増加して「多文化化」しつつある日本の現状にも焦点を当て、「多文化共生」への道を避けがたく歩んでいくうえでの課題と将来展望を考える。
●授業計画は次の通りであるが、進行順や講義回数は変更することがある。

評価方法: 自分自身で考えることを各自に求めたいので、授業への出席を重視し、授業中の小レポートや中途での課題レポート、期末試験をあわせて総合的に評価する。

テキスト名: 講義に沿って随時プリント等を配布し、VTRも使用するが、資料的に整っていない最新状況も取り上げるので、新聞や総合雑誌等を常に読むこと。

注意事項: を履修していなければ、は履修できない。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.<序論>多文化共生をどう考えるか
2.文化は変容する:植民地支配と戦争
3.さまよえるアイデンティティ(1):占領と支配
4.さまよえるアイデンティティ(2):移民と忠誠心
5.さまよえるアイデンティティ(3):国民と国家
6.歴史の記憶と相互の認識
7.日本社会と外国人の定住(1)
8.日本社会と外国人の定住(2)
9.日本社会と外国人の定住(3)
10.日本社会と外国人の定住(4)
11.日本社会と外国人の定住(5)
12.日本社会と外国人の定住(6)
13.<まとめ>多文化共生の解題と未来