意味・語用論
  発話の意図と解釈を考える
TANAKA YUJI 
田中 裕司
4単位 
2〜4年 
前期 
50100400

日常生活において言語を使用して情報伝達をおこなうとき、字義どおりの意味では話し手が何を伝えようとしているのかわからない場合が少なくない。"It's cold outside"と言えば、話し手は発話時の外気温について記述していると解釈することもできるが、裏の意味をとって聞き手に窓を閉めるように要求していると解釈することもできる。「裏の意味」とは何か。なぜ聞き手は話し手の意図どおりに意味を解釈できるのか。そこにはどのような規則や原則が働いているのだろう。本講義では、主に日本語と英語における発話資料を分析して、このような言語使用に関する問題を考察することが主眼である。

評価方法: 授業への参加態度、宿題の提出状況、中間試験、期末試験にもとづいて判定する。

テキスト名: 高原脩・林宅男・林礼子プラグマティックスの展開勁草書房2002

注意事項: 言語研究の基礎的知識は前提として話を進めるので、履修生は「英語学概論」あるいは「言語学入門」の単位取得済みである者に限る。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.意味論と語用論とはどのような学問か
2.機能主義的言語研究(1):機能文法
3.機能主義的言語研究(2):視点と共感
4.機能主義的言語研究(3):情報のなわばり
5.談話標識
6.直示
7.発話行為
8.協調の原理と会話の含意
9.意識と言語使用
10.発話理解の認知メカニズム
11.テクストの構造
12.会話分析
13.相互行為分析
14.ポライトネス
15.談話ストラテジーと会話スタイル
16.批判的談話分析