米国外交論II
  
TAKASUGI TADAAKI 
高杉 忠明
2単位 
1〜4年 
後期 
41404200

20世紀はしばしば「アメリカ時代」であるといわれる。軍事、政治・経済、文化面におけるアメリカの影響力は世界中に及んでいる。なぜアメリカはこのような超大国になりえたか?そして今後のアメリカはどのようになってゆくのか?この授業では、このような疑問を外交政策という観点から考察したい。
前期の「米国外交論」に引き続き、ベトナム戦争以降から現在に至るアメリカ外交の特徴を検討してゆく。具体的には、カーター政権(Jimmy Carter)、レーガン政権(Ronald Reagan)、ブッシュ政権(George Bush)、クリントン政権(Bill Clinton)、第一期・第二期ブッシュ政権(George W.Bush)までの各政権の主要な外交課題を取り上げ、大統領の生い立ち、パーソナリティー、政策決定スタイル、政権を取り巻く国際環境などと関連づけながらアメリカ外交の特徴を分析する。

テキスト名: 佐々木卓也編戦後アメリカ外交史有斐閣2003

  W・ラフィーバー『アメリカの時代』芦書房、1992年
小此木政夫、赤木完爾『冷戦期の国際政治』慶應義塾大学出版会、1987年

注意事項: 前期の「米国外交論」を履修済みであることが望ましい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.オリエンテーション 授業の進め方ならびに成績評価の基準について説明する。
2.カーター政権の外交政策 人権外交と米ソ関係、中東外交、ソ連のアフガニスタン侵攻と「第二次冷戦」
3.レーガン政権の外交政策(1)「第二次冷戦」下のアメリカ外交、NATOと日米同盟の軍事化
4.レーガン政権の外交政策(2)ゴルバチョフの登場と米ソ関係の好転、米ソ核軍縮交渉―INF全廃条約への道、日米経済摩擦の激化
5.レーガン政権の外交政策(3)第三世界とアメリカ外交 レバノン
6.G・ブッシュ政権の外交政策(1)冷戦の終結、新世界秩序の構築、ベルリンの壁の崩壊と東欧の民主化、米欧関係、日米関係
7.G・ブッシュ政権の外交政策(2)湾岸戦争とアメリカ外交、国連中心の多国間協調システムの構築
8.G・ブッシュ政権の外交政策(3)ソ連邦の崩壊とアメリカ外交、冷戦後唯一の超大国・アメリカの外交
9.クリントン政権の外交政策(1)冷戦後初の大統領の登場とアメリカ外交、経済・通商外交の推進、世界貿易機構の創設とアメリカの経済外交、中東和平、アメリカの国連外交とPKOなど
10.クリントン政権の外交政策(2)日米同盟の再定義、米中関係、ユーゴスラビア問題など
11.G・W・ブッシュ政権の外交政策(1)アメリカの単独行動主義―その内政面の分析、新保守主義の台頭とアメリカ外交など
12.G・W・ブッシュ政権の外交政策(2)「9・11同時多発テロ」以降のアメリカ外交、アフガニスタン戦争、対テロ戦争、多国間協調主義と単独行動主義の対立(米欧関係の悪化)、日米同盟の軍事化
13.G・W・ブッシュ政権の外交政策(3)大統領選挙とアメリカ外交、イラクの民主化とアメリカ外交の行方
14.21世紀のアメリカ外交の行方
15.まとめ