欲望とジェンダー(2)：『マクベス』
| TAKAKUWA YOKO 高桑 陽子 |
2単位 |
| 2〜4年 | |
| 後期 |
| 英文学研究II 欲望とジェンダー(2)：『マクベス』 |
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三人の魔女の予言は、マクベスに権力への欲望を吹込んだのだろうか、それとも彼の心の奥底に眠っていた欲望を言い当てたにすぎないのだろうか。王政と魔術に関心を抱いていたジェームズ一世の治世に上演された『マクベス』は、王の権利、反逆の可能性、なにが権力を正当化するのかという問題を問いかける。 さらに、三人の魔女にはヒゲがはえ、マクベス夫人は自分の性を拒み、夫の男らしからぬ臆病さをなじるように、魔女たちやマクベス夫人は慣習的なジェンダーの規範をくつがえしたり無視したりする。 魔女、幻想、亡霊――正常と狂気の境界線はあいまいだ。そして、血や闇のイメージ、反復強迫的に使われることば、意味の多義性など、劇はマクベスの心の闇の迷路を表象してもいる。ことばの多義性に注意を払いながら、欲望、権力、ジェンダーの問題を考える。 進め方は演習形式で、問題点を全員で話しあうので、十分な準備をしてのぞんでほしい。積極的な貢献を評価する。 あわせて、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー上演のビデオを鑑賞する。時間が許せば、ほかの舞台や映像も紹介したい。 |
| 評価方法： | 平常点（出席、発表、授業貢献度）とレポートにより総合的に評価する。 |
| テキスト名： |
William Shakespeare, Macbeth (Cambridge School Shakespeare), Cambrdige University Press, 2005 ウィリアム・シェイクスピア『マクベス』ちくま文庫、1996年 |