英語統語論IA
  脳内文法:文構成の原理を探る
KUWABARA KAZUKI 
桑原 和生
4単位 
1〜4年 
前期 
41100501

どんな言語の話し手・聞き手も、新しい文を無限に作り出し、それを理解することができる。この言語の「創造的使用」は、一見するとあたりまえのことのように思われるが、その背後にはあたりまえではない、どの言語にも共通し、高度に組織化された規則性を持つ「言語の仕組」が存在する。そのような仕組が脳に内在するからこそ、話し手・聞き手は無意識に文を組み立てそれを理解することができるのである。(i) 文を組み立てる際に、話し手が暗黙のうちに従っている規則性、「言語の仕組」とは、どのような成分から構成されているのか。(ii) 言語知識はいつ、どのようにして脳内に形成されるのか、などの言語に関する究極の問いについて考える。 

評価方法: 中間試験と期末試験によって評価する。

テキスト名: Stephen Crain, and Diane Lillo-Martin, An Introduction to Linguistic Theory and Laguage Acquisition, Blackwell Publishers, 1999

注意事項: 「英語学概論」の単位を取得済みの学生を対象とする。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.子どもはいかに言語を獲得するか
2.言語理論と言語獲得:言語版プラトンの問題
3.文の基本構造
4.句構造規則とX-bar理論 (1)
5.句構造規則とX-bar理論 (2)
6.句構造規則とX-bar理論 (3)
7.句構造と多義的な文
8.子どもの句構造に関する知識
9.指示表現に課せられる制約
10.構造依存性:Yes-No 疑問文
11.Wh-Movement:(1)
12.Wh-Movement:(2)
13.子どものWh-疑問文に関する知識
14.Wanna縮約
15.Wh-Questionと束縛原理C
16.子どもの"Strong Crossover"に関する知識
17.まとめ