文学IIC
  カフカを読もう・知ろう
INOUE MASAATSU 
井上 正篤
2単位 
1〜4年 
後期 
30001103

カフカを知ってるかな?チェコ生まれのユダヤ人で、ドイツ語で書いた作家(1883-1924)なんだ。ベッドの上に仁王立ちになった老父に溺死刑を宣告される青年実業家(『判決』)、不可解な城が宰領する村に定住しようと悪戦苦闘する自称測量技師(『城』)、なんとも奇妙な小説を書いた人だ。実生活も変わっていて、家族関係や職場、女性関係でもずいぶん悩んだ人だ。ともかく、わたしたち現代人の「不安」や「悩み」を一身に担ってくれた作家なのだ。授業では、カフカの小説や手紙・日記、それにビデオ・映画等を通して、その「人と文学」について解説し、広く「人間の生」一般についても考えていきたい。 

評価方法: レポートと出席状況との総合評価

テキスト名: 井上正篤カフカ彷徨同学社2003
カフカ角川文庫

  テキスト『カフカ彷徨』は、小説考・ノート・書簡考の三部構成で、カフカ全体が詳細に解説されている。毎回授業で読んでいくので、必ず購買部で購入しておくこと。
『判決』は短いのでプリントで配布する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.ガイダンス(1)文学とは何か プリント
2.ガイダンス(2)文学とは何か 「文学再入門」(ビデオ 大江健三郎)
3.カフカの横顔 カフカ略年譜(テキスト『カフカ彷徨』)
『父への手紙』(テキスト『カフカ彷徨』第13章) 
『カフカ最後の手紙』(テキスト『カフカ彷徨』第16章) 
DVD:20世紀の巨人
4.短編『判決』について(1) (テキスト『カフカ彷徨』第2章)
5.短編『判決』について(2) (テキスト『カフカ彷徨』第2章)
6.短編『判決』まとめ テキスト『カフカ彷徨』 
序にかえて−カフカ文学の内的構造−
7.書簡『ミレナへの手紙』(1)(テキスト『カフカ彷徨』第15章)
8.書簡『ミレナへの手紙』(2)(テキスト『カフカ彷徨』第15章)
9.長編『城』について(1) 『城』概観 (テキスト『カフカ彷徨』第7章)
10.長編『城』について(2) (テキスト『カフカ彷徨』第7章)
11.長編『城』について(3) (テキスト『カフカ彷徨』第7章)
12.長編『城』まとめ 
VHS:J・スタイナー/世界の十大小説
13.カフカまとめ
レポート提出