歴史学IIC
  近代世界とヨーロッパ
ENDO MIYUKI 
遠藤 美幸
2単位 
1〜4年 
後期 
30000303

「近代世界システム論」でヨーロッパ近代史を概観する。この講義は、従来の「ヨーロッパ中心の歴史観」に検討を加え、「非ヨーロッパ的」視点で歴史を再考するとともに、現代社会が抱える諸問題の内実を明らかにすることを最終目的とする。前期は16世紀から18世紀のヨーロッパを対象とする。後期の対象時期は18世紀から現代であるが、主に19世紀のヘゲモニー国家イギリスが中心となる。後期は「近代世界システム論」に留まらず、社会史的な視点も加味しながらイギリスの近代社会を多角的に捉えていく。前期の「歴史学C」を履修していることが望ましいが、後期から履修する学生も理解できるように配慮したい。以下は講義で扱う主なテーマである。

評価方法: 試験、レポート、授業の参加状況により総合的に評価する

テキスト名: 最初の授業で指示する

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.イギリスの「商業革命」―イギリスが「中核」へ(17世紀から18世紀)
2.ヨーロッパの「生活革命」とイギリス風ライフスタイルの成立
3.アルコール社会からカフェイン社会へ
4.前近代的な民衆社会の娯楽と規律化
5.「コーヒー・ハウス」から見るもう一つの「生活革命」
6.ヨーロッパの「衣料革命」―「産業革命」の前提条件
7.イギリスの「産業革命」の進展
8.「産業革命」と「フランス革命」の歴史的な意味
9.移民の問題(子供移民、女性移民、アイルランド移民、ユダヤ移民、黒人移民など)
10.ヴィクトリア的価値観とガヴァネス問題
11.イギリスのヘゲモニー(19世紀、パクス・ブリタニカの時代)
12.「近代世界システム論」と帝国主義―大英帝国はなぜ必要であったか
13.アメリカのヘゲモニーの衰退
14.近代世界システムの今後と日本の選択