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    ブラジル総合研究
  コントラストのあるブラジル経済を理解する
KOYASU AKIKO 
子安 昭子
2単位 
2〜4年 
前期 
56002300

ブラジル経済は1990年代に大きな転換点を迎えた。すなわち30年代から続いた輸入代替工業化が80年代の債務危機、その後の経済停滞によって終わりを遂げ、多くのラテンアメリカ諸国のように経済自由化の時代へと進んだからである。90年代半ばには経済安定化、そして経済成長路線へと明るい兆しが見え始めたが、現在はアルゼンチンやベネズエラなど近隣諸国の経済不安などの影響もあってブラジル経済は依然として不安定な状態にある。貧富の格差などの社会問題については早急に取り組むべき課題である。しかしながらその一方で米州地域の経済統合(FTAA)のリーダー的存在であり、欧米諸国の企業が活発な投資活動を行っている。本講義を通して、30年以降の経済発展の足跡を辿りながら「コントラストのあるブラジル経済」に対する理解が深まることを望む。

評価方法: 出席と期末テストによる総合的評価。

テキスト名: 授業内で随時紹介する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.授業の進め方とイントロダクション
2.ブラジル経済の基本的特質―2つのブラジル
3.工業化の過程―輸入代替工業化
4.対外債務危機とインフレーション―失われた10年
5.市場経済化への道―経済自由化を目指す諸改革
6.地域統合―メルコスルとFTAA
7.貧困と所得格差―経済自由化のコスト
8.失業とインフォーマルセクター―経済自由化のコスト
9.ルーラ労働者党政権の経済・社会政策
10.ルーラ労働者党政権の経済・社会政策
11.持続的成長と社会的公正―ルーラ政権の挑戦