後期(火・4)時間割表へ
    コンピュータと人間科学
  コンピュータを通して人間を科学する
NAKAYAMA MIKIO 
中山 幹夫
2単位 
2〜4年 
後期 
55000800

コンピュータと人間、ネットワークと社会は互いに類似関係にある。そのため人がその認識や行動様式を誤ると人が情報技術を使うのではなく、情報技術に人が使われ、人の精神活動に好ましくない影響を与える可能性もある。
本講義では情報技術は人間を科学した成果であるとの視点で、その成果を自分という人間にフィードバックする。コンピュータと人間の共通点と相違点の把握、科学的理解を通して、コンピュータと人間への見方と関わりを考察しヒューマンリテラシーの獲得を目指す。
内容は次の通り。コンピュータと思考、エキスパートシステム、コンピュータと言語理解、人工知能とロボット、学習するコンピュータ、コミュニケーション科学と進化、情報技術と人の心と体、コンピュータ中毒とネットワーク犯罪、ヒューマンマシンインタフェース、バーチャルリアリティ、サイバースペース、情報系としての人間科学。

評価方法: 授業態度、小レポート、中間レポート、期末試験により総合的に評価する。

参考文献: 中山幹夫コンピュータと人間http://www.kuis.ac.jp/~nakayama/ 内のエッセイ2002
養老 孟司人間科学筑摩書房2002
ジェーン・M. ハーリーコンピュータが子供の脳を変える大修館書店1999
下原勝憲人工生命と進化するコンピュータ工業調査会1998
山田博脳とコンピュータNTT出版1990
片方善治サイバースペース海文堂1996
大須賀節雄ヒューマンインタフェースオーム社1992

  必要に応じてプリント資料を配布するのでテキストは特に指定しない。
参考文献は授業で適宜紹介。

注意事項: ホームページhttp://www.kuis.ac.jp/~nakayama/で授業情報の提供あり。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.<コンピュータから学ぶヒューマンリテラシー>
・オリエンテーション
2.<コンピュータと思考>
・人間の脳を考える 
・『考える』とは何か 
・脳とコンピュータの決定的な違い 
・コンピュータ占いの体験と分析 
・来週までの宿題
3.<エキスパートシステム>
・コンピュータ占いの仕組み 
・コンピュータと判断 
・コンピュータと推論 
・エキスパートシステムを体験 
・人間のふりをするコンピュータ
4.<コンピュータと言語理解>
・マルチメディア時代の言語の役割 
・プログラミング言語とは 
・コンピュータにとっての人間言語 
・コンピュータと多言語環境 
・コンピュータの働き方を生活と仕事に活かす
5.<人工知能とロボット>
・人工知能とは 
・人工知能の認識 
・人工知能の判断 
・人工知能の行動 
・ファービーの観察と分析 
・人工知能は作れるのか 
・人工知能と人工無能
6.<学習するコンピュータ>
・フィードバック制御 
・ファジーシステム 
・学習するコンピュータ 
・ノイマン型とニューロ型の違い
7.<コミュニケーション科学と進化>
・コンピュータは生命に近づけるか 
・コミュニケーションを科学する 
・コミュニケーションと進化 
・変化を作る遺伝と進化 
・情報技術で人を理解する 
・人を知り人を動かす 
・自律性と創造性 
・進化するコンピュータとは
8.<情報技術と人の心と体>
・コンピュータと健康管理 
・ゲーム脳 
・柔らかい脳と硬い脳 
・ITの進歩と人の心 
・人間のコンピュータ化 
・コンピュータと子供の心 
・Human memoryとしてのコンピュータ 
・コンピュータ・ストレス
9.<コンピュータ中毒とネットワーク犯罪>
・テクノ依存症 
・コンピュータと心の病 
・ネットワークアディクション(ネット中毒)
・データホリック(情報中毒)
・ネットワーク犯罪
10.<ヒューマンマシンインタフェース>
・インタフェースとは何か 
・機械に何を求めるのか 
・コンピュータは使いやすいだろうか 
・多様性と人に優しいインタフェース
11.<バーチャルリアリティ>
・バーチャルリアリティとは 
・バーチャルリアリティの可能性 
・シミュレーション技術 
・VRの構成要素 
・仮想空間と現実世界 
・仮想空間の危険 
・VRが変えるコニュニケーションの未来
12.<サイバースペース>
・ネットワークコンピューティングと身体性 
・サイバースペースとは 
・サイバースペースの構成要素 
・電脳空間としてのコンピュータ 
・身近なサイバースペース 
・グループウェアとしてのサイバースペース
13.<情報系としての人間科学>
・コンピュータネットワークと人間 
・情報系としての人間 
・情報はどこにある 
・己を知る 
・コンピュータと情報系 
・情報と実体 
・人間における情報とシステム