後期(火・1)時間割表へ
    中南米政治経済論
  現代ラテンアメリカの政治経済問題を理解する
KOYASU AKIKO 
子安 昭子
2単位 
1〜4年 
後期 
50402600

1980年代までのラテンアメリカがいわゆる「内向き」の経済発展戦略を行っていたのに対し、90年代以降は文字通り「外向き」すなわち世界経済に積極的に参加する戦略に転じている。それは米州自由貿易圏(FTAA)やメルコスル(南米南部共同市場)などの動きからも明らかである。また政治面においては民主化が定着するなかで、特に南米諸国では軍事政権時代の人権侵害問題に対する取り組みがみられる。本授業では「中南米政治経済論」(前期)を踏まえ、90年代以降現在にいたるラテンアメリカの政治経済動向を把握し、変化するラテンアメリカ諸国と我々日本の関係が今後どうあるべきかについて考えていくことにしたい。

評価方法: 出席、発表、期末テストによる総合的評価。

テキスト名: 授業内で随時コピーを配布。

注意事項: 予め前期の中南米政治経済論Iを受講しておくことが望ましい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.授業紹介
2.ネオリベラリズムへの転換(経済)
―経済統合―NAFTA、メルコスル
3.ネオリベラリズムへの転換(経済)
―経済統合―FTAA(米州自由貿易圏)
4.ネオリベラリズムへの転換(経済)
―民営化および国際化する企業活動(変化する経済アクター)
5.ネオリベラリズムへの転換(経済)
―金融自由化と通貨危機(アルゼンチン、ブラジルの事例)
6.民主化後のラテンアメリカ(政治)
―不安定な民主主義:ペルー、ベネズエラ
7.民主化後のラテンアメリカ(政治)
―ルラ左派政権誕生一年のブラジル
8.民主化後のラテンアメリカ(政治)
―社会主義国キューバの行方
9.民主化後のラテンアメリカ(政治)
―中米紛争をこえて:社会的安定と経済復興の道
10.拡大する社会不安(社会)
―貧困と所得格差
11.拡大する社会不安(社会)
―雇用
12.拡大する社会不安(社会)
―麻薬とゲリラ(コロンビア、ペルー、ボリビアなど)
13.まとめ―ラテンアメリカ・日本関係の展望(日系人社会と出稼ぎ現象)