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    東南アジア社会論
  東南アジア社会研究入門(開発と社会)
IWAI MISAKI 
岩井 美佐紀
2単位 
1〜4年 
前期 
50402300

日本から飛行機でわずか5、6時間。東南アジアは日本人にとって身近で人気の高い観光スポットである。巨額な日本のODA(政府開発援助)が供与され、日本企業の進出も顕著である。バンコクやマニラなど、経済発展の中心である東南アジア各国の首都は、近代的なビル群が林立し、ここが途上国であるという印象を全く与えない。しかし、一歩足を農村に踏み出してみると、全く違った荒廃した光景が広がる。大規模な経済開発の下で東南アジアの農村は深刻な貧困問題に直面し「崩壊」しかけている。農村の「崩壊」は、さらに都市のスラム化や犯罪など、貧困による社会問題を生起させる。本講義では、都市化に伴って拡大する都市の社会問題とその背景となる農村の貧困の態様を理解し、そのような社会問題の解決に向けて取り組む現地の人々の社会開発について学ぶ。

評価方法: 出席を重視する。毎回のリアクションペーパー、課題の提出、期末試験の結果を総合的に評価する。

テキスト名: サニッスダー・エーカチャイ語り始めたタイの人びと明石書店1994

参考文献: 北原 淳東南アジアの社会学世界思想社2000

注意事項: 東南アジアに漠然と興味があるというのではなく、発展途上国が抱える問題とそれに対する人びとの取り組みについて強い関心と「共感」を持っている学生の受講を望む。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.東南アジアの開発と社会へのインパクト
「近代化」がもたらしたもの
首座都市への人口集中
階層間格差
地域間格差
2.東南アジアの農村の疲弊
「緑の革命」のインパクト
農民の日常生活
出稼ぎ
森林破壊と環境問題
3.東南アジアの都市のスラム問題
スラムの成り立ち
スラムが抱える問題
スラム住民の自助努力
4.売買春とエイズ問題
観光産業
NGOによる支援活動
各国政府の対応
5.児童労働問題 
労働環境
家族との関係
識字活動
6.日本との関わり
開発問題:経済開発と環境問題
性産業と日本
「隣人」として