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    言語哲学
  「言語とは何か」と問うことの意味
HIKASA KATSUSHI 
樋笠 勝士
2単位 
1〜4年 
前期 
50100600

「言語とは何か」と聞かれたら、どのように答えるだろうか。まずは沈黙してしまうだろう。日常的には、使っている言語のことを意識しないからである。でもいったん問うとわかなくなる。分かっている感覚はあるものの説明できなくなる。敢えて考え出すと「文法」や「意味論」や「音韻論」が、その答えの一部になっているような気がする。確かにそうであるが、しかし、本当に一部でしかない。これら「言語学」の所産は、「言語」を研究対象にしているから「言語とは何か」という問いを常に持っていそうである。しかし実際は異なっている。言語学は、既に流通している言語の存在理由や意義については問題にしない。そのような根本的な問いには触れられないからである。言語学は諸科学である以上、方法と領域の限定を受けてしまっているのである。従って、最初の問いを問いのまま生かして問えるのは言語哲学しかないのである。この問いがどれほど奥行きのある問いであるかを一緒に考えていきたいと思う。

評価方法: 試験等で評価する。

テキスト名: 教室にて紹介する予定。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.導入
2.言語哲学と言語学
3.言語哲学と哲学
4.言語哲学の始まり・・・史的論究1
5.言語哲学の学的展開・・・史的論究2
6.言語哲学の現代的課題
7.言語哲学の主題1・・・人はなぜ言葉を話すのか
8.言語哲学の主題2・・・話すことは一体どのような意味や効果があるのか
9.言語哲学の主題3・・・文字で書くことと声を出して話すこととはどのように異なるのか
10.言語哲学の主題4・・・名前を付ける、とはどのような行為か
11.言語哲学の主題5・・・言葉に時制があるのはなぜか
12.言語哲学の主題6・・・恋人たちはなぜ言葉で気持ちを伝え合いたがるのか
13.現代という時代と言語の様相