前期(金・4)時間割表へ
    ラテンアメリカ史概論
  
YAGINUMA KOICHIRO 
柳沼 孝一郎
2単位 
1〜4年 
前期 
43400700

ラテンアメリカは、33の独立国と11の非独立領土からなる地域の総称であるが、スペイン語、ポルトガル語、フランス語などラテン語から派生した言語(ロマンス諸語)や宗教(カトリック教)などラテン系の伝統文化を共有し継承する、いわば「ラテン民族のアメリカ」を意味し、アングロサクソン・アメリカに対する文化的な観点からの呼称である。前期では、以下の内容に沿ってラテンアメリカの歴史変遷、とりわけロコンブスが到達し、スペインによって征服される以前のアメリカ大陸の古代文明の形成過程とその特徴について、ビデオを鑑賞しながら学ぶ。

評価方法: 「メソアメリカ文明の特徴と形成過程について」もしくは「アンデス文明の特徴と形成過程について」いずれかについてレポートにまとめ提出する(60%、詳細は最終授業で発表する)。またビデオ鑑賞のミニレポート(30%)、出席などの平常点(10%)を考慮し、総合的に評価する。

テキスト名: 国本 伊代概説ラテンアメリカ史新評論2001
増田 善郎物語 ラテン・アメリカの歴史中公新書1998

  随時、プリントを配布する。参考図書文献については随時、紹介する。最終授業時に「レポート提出要領」に図書文献リストを添付するので参考にされたい。

注意事項: ラテンアメリカ地域に関心のある学生諸君の積極的参加を期待したい。特に、毎年、本学から合格者を出している(2002年度3名、2003年度4名)「日本メキシコ政府交換留学生」の受験を希望する学生には薦めたい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.1)ラテンアメリカ地域の特徴:
地域としてのラテンアメリカ、ラテンアメリカの呼称、地域区分(メキシコ、中央アメリカ、カリブ海域、アンデス地域、ラプラタ地域、ブラジル)
2.2)ラテンアメリカ地域の多様性と共通性:
多様な自然環境、均一性(言語文化)、宗教的統一(カトリック教)、人種構成(多人種社会、混血社会、インドアメリカ、メスティソアメリカ、ユーロアメリカ、アフロアメリカ、アジアアメリカ)
3.3)ラテンアメリカの歴史発展:
先コロンブス時代〜古代文明の形成:メソアメリカ文明、アンデス文明。
大航海時代と植民地時代:征服の時代、植民地支配体制、植民地経済の発展、植民地社会の形成、植民地文化。
独立国家の時代:絶対王政からの独立解放、近代化と従属化、国民国家の形成とナショナリズム、社会変革の時代(メキシコ革命など)
4.アメリカ大陸の古代文明:プレ・コロンビアン(先スペイン時代)の古代文明
メソアメリカ地域(1)オルメカ文明−メソアメリカの「母なる文化」、巨石人頭像など。
5.メソアメリカ地域(2)テオティワカン文化−アメリカ大陸最大の宗教都市国家、「太陽のピラミッド」「月のピラミッド」などのピラミッド神殿文化。
6.メソアメリカ地域(3)テオティワカン文化
7.メソアメリカ地域(4)マヤ文明−「失われた文明」を探る、グアテマラの密林に眠る神殿遺跡群ティカル、パレンケ、チチェン・イツァ。
8.メソアメリカ地域(5)マヤ文明−マヤの宇宙観(宗教観)。
9.メソアメリカ地域(6)アステカ王国−軍事国家の出現、「生け贄の文化」、宗教観、経済。
10.メソアメリカ地域(7)アステカ王国−湖上の都市テノチティトラン(現メキシコシティ)を検証する。
11.アンデス地域(1)プレ・インカ文明−ティワナコ、シカン文明。
12.アンデス地域(2)プレ・インカ文明−ナスカ(「地上絵」)
13.アンデス地域(3)インカ文明−帝都クスコ、インカ文明の特徴、宗教観(宇宙観)、インカの社会構造。
14.アンデス文明(4)インカ文明−空中都市マチュ・ピチュ。
15.総括−前期課題提出の要領について発表する。