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    日米関係論B
  
TAKASUGI TADAAKI 
高杉 忠明
4単位 
1〜4年 
後期 
41401202

19世紀中葉に日本が「黒船来航」によって開国を余儀なくされて以来、日米関係は今年で151年を迎える。この間、日米関係は友好と対立の歴史に彩られきたが、「黒船」による日本開国以降日露戦争までの日米関係は、基本的に友好の歴史であったのに対し、日露戦争以降太平洋戦争に至る時期の日米関係は、対等な競争者として対立と抗争の歴史を繰り広げていった。太平洋戦争後、米ソ冷戦が深刻化してゆく中で敗戦国・日本は、アメリカの単独占領下におかれ、両国関係は「勝者と敗者の関係」へと変化した。しかし1960年代以降、政治的、経済的分野のみならず文化的・人的交流の分野で日米関係の緊密な関係が深まるにつれ、その関係は「協調と摩擦」のはざまの中で「より対等な関係」へと発展してきた。冷戦後、経済大国へと成長した日本は、日米同盟の重要性を認識しつつも、対米協調路線と対米自主・独立路線の狭間で、その関係を模索している。
この講義ではこうした歴史的な両国の関係の変遷を踏まえ、第1に、150年にわたる日米関係の全体像を概説し、第二に、戦後の日本のアメリカに対する基本的視座を「対米協調」、「対米自主」、「対米独立」という概念に分類・整理し、説明する。そして第3に、1980年代以降、経済大国・日本の国際社会で果たすべき役割と今後の日米関係のあり方について考えてゆきたい。

評価方法: レポート(60%)と筆記試験(30%)に出席(10%)を加味して総合的に評価します。

テキスト名: 五百旗頭真編戦後日本外交史有斐閣2000

  第二次大戦前の日米関係に関する参考文献は授業際に適切なものを紹介します。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.オリエンテーション(授業の進め方、成績評価、教科書の紹介など)
2.第二次大戦前の日米関係(1)
3.第二次大戦前の日米関係(2)
4.占領期の日米関係(ハード・ピースからソフト・ピースへ)
5.サンフランシスコ講和会議と日米安保体制の成立(日本の独立、吉田ドクトリン、日米イコール・パートナーの模索など)
6.日米安保条約の改定
7.高度成長期の日米関係(日米経済摩擦、ベトナム戦争、安保ただ乗りへの批判など)
8.沖縄返還と日米関係(戦後日米関係の終結、日安保体制の拡充など)
9.第二次冷戦と日米関係(アジア・太平洋地域におけるソ連の進出と米ソ関係と日米関係、米中国交正常化と二中関係、日米防衛協力、日本のODA外交と国際貢献など)
10.レーガン政権下の日米関係(日米貿易摩擦、防衛摩擦、文化摩擦など)
11.ブッシュ政権下の日米関係(冷戦後の日米関係、湾岸戦争など)
12.クリントン政権と日米関係
13.ブッシュ政権と日米関係
14.21世紀の日米関係
15.まとめ