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    英文学研究
  「エリザベス神話」
TAKAKUWA YOKO 
高桑 陽子
4単位 
2〜4年 
後期 
41300800

映画『エリザベス』は、カソリック教徒のメアリー女王による血なまぐさいプロテスタント弾圧の場面で幕を開ける。「私生児」と呼ばれるエリザベスも、反逆罪の疑いで逮捕されるが、姉メアリーの死により女王の座につく。だが1554年にエリザベスが25才で即位した時、イングランドは国の内外に大きな課題を抱えており、また彼女の女王としての地位も、いまだ不安定なものだった。政治的・宗教的陰謀の渦巻く中、エリザベスが一国の君主として、また一人の女として苦悩しながら、どのように「処女女王」の神話を作り上げていくかを、映画は虚実を織りまぜて巧みに劇化している。
エリザベスの女王としての表象(パフォーマンス)の問題と合わせて、異端と反逆の相対性の問題を宗教的・政治的コンテクストの中で考える。

評価方法: 平常点とレポートにより総合的に評価する。

テキスト名: Michael Hirst, Elizabeth, 松柏社, 2002

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.16世紀イングランドの政治的・宗教的状況
2.「私生児」エリザベス
3.エリザベスの逮捕
4.メアリーvs.エリザベス
5.メアリーの死
6.エリザベス即位
7.エリザベスとレスター伯
8.対外問題
9.結婚問題
10.エリザベス暗殺未遂事件
11.陰謀
12.反逆罪
13.処罰
14.「処女女王」神話
15.まとめ