後期(金・1)時間割表へ
後期(金・2)時間割表へ
    英文学講義B
  「家族とは何か」
TAKAKUWA YOKO 
高桑 陽子
4単位 
1〜4年 
後期 
41300602

ロマンティック・コメディーで、真の愛で結ばれた結婚はハッピーエンドを意味する。恋愛結婚をして安定した家庭を築き子供を育てるという核家族像が、英国近代初期にどのように出現して理想化されていったのかを、文化史的観点から探る。
シェイクスピア劇における家族の表象、16・17世紀の視覚文化(婚礼家具、タピストリー、木版画、墓碑など)、および「創世記」(アダムとイヴの人類最初の結婚、堕落と楽園追放、カインの弟殺し)の解釈を総合的に分析する。恋愛と結婚、夫の嫉妬、ドメスティック・バイオレンス、虐待、家庭内暴力など、現代の家族にも共通する問題を取り上げて考え、家族とは何かを改めて問う。

評価方法: 出席率と期末試験により総合的に評価する。

テキスト名: キャサリン・ベルシーシェイクスピアとエデンの喪失――家族の価値の文化史法政大学出版局2003

  適宜、授業資料としてプリントを配付する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.第1章:中世と近代初期の結婚観
2.アダムとイヴ
3.核家族の理想(の発見)
4.第2章:ロマンティック・ラブと求愛
5.『恋の骨折り損』
6.『お気に召すまま』
7.第3章:結婚はハッピーエンドか
8.『シンベリン』
9.第4章:親であること
10.『冬物語』
11.近代初期の核家族の表象
12.第5章:兄弟のライバル意識
13.1)カインとアベル
14.2)『ハムレット』
15.まとめ