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    日英比較文化論
  シェイクスピアと歌舞伎
TAKAKUWA YOKO 
高桑 陽子
4単位 
1〜4年 
前期 
41300200

歌舞伎とシェイクスピアという日英伝統文化に対する理解を深めることを目的とする。
現在「古典」と見なされるシェイクスピアと歌舞伎は大衆娯楽だった。歌舞伎の女形のように英国近代初期の舞台では少年が女役を務めた。なぜ互いに異なる東西文化において男が「女」を演じることが可能なのか、ジェンダーとは何かを考える。異性装をテーマにしたシェイクスピアの翻訳や歌舞伎を読んで、変身の重層構造や、女性像の表象を比較分析する。
また歌舞伎を全く見たことのない学生も多いので、ビデオ教材も使用して、少しでも歌舞伎に慣れ親しむ機会を設ける。

評価方法: 出席率と期末試験により総合的に評価する。

テキスト名: F・ラロックシェイクスピアの世界創元社1994
古井戸秀夫歌舞伎新潮社1992
W・シェイクスピアお気に召すまま白水社1983

  歌舞伎のテキストは、図書館に指定図書として用意しておくので、各自でコピーしてほしい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.シェイクスピア:16−7世紀のロンドン、常設劇場の誕生
2.劇場の発展、劇団と少年俳優
3.宮廷・ロンドン市・観客
4.清教徒の劇場攻撃と劇場閉鎖まで
5.歌舞伎;風流踊り、おくにの歌舞伎踊り
6.17世紀の江戸と常設劇場の誕生
7.女形の誕生と芸の訓練、「理想の女」傾城
8.歌舞伎の発展、江戸幕府の統制
9.歌舞伎の社会的受容の変化
10.シェイクスピアと歌舞伎の共通点
11.少年俳優と女形のジェンダー・パフォーマンス
12.シェイクスピアと歌舞伎における変装と異性裝のテーマ
13.『お気に召すまま』
14.『お染久松名読販(お染の七役)』
15.まとめ