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    倫理学B
  こんにちのわれわれを「方向」づけているもの
MIYAKE MASAZUMI 
三宅 正純
2単位 
1〜4年 
前期 
30000602

われわれは自由と個人主義の時代に生きています。たしかに昔とはちがって、絶対的権威は消え、命令するおとなは少なくなったかもしれません。技術も進歩して生活は便利になり、われわれの自由はまちがいなく拡大しているように思えます。
しかしわれわれは、社会や環境からの影響をまぬがれているわけではありません。この時代にはこの時代なりの倫理があり、われわれの行動や生き方を方向づけています。本講義は、近代に特有の倫理、あるいは「方向づけ」について、さまざまなテーマをとりあげながら、考察していきます。

評価方法: 小テストと筆記試験、ならびに聴講態度を総合して、判断します。

テキスト名: プリントを配布します。参考文献は、講義中に随時指示します。

注意事項: 講義中に私語などを行う者には、断固として「不可」を与える。毎年多くの者が講義妨害によって不可となっている。くれぐれも注意すること。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.ガイダンス〜「倫理」「方向づけ」について
2.「自由」について〜「他人に迷惑をかけなければ何をしてもよい」で倫理はかたづくのか。
3.「近代」を特徴づける二つの革命について
4.産業革命と近代家族
5.戦後日本における近代家族の形成
6.性的分業の意義。近代的恋愛の特徴〜恋愛結婚、DV、ストーカー。
7.競争社会の諸相〜「容認される不平等」
8.商品的人間関係〜売ると買うの倫理
9.消費的行動の意味〜「経験」の変化
10.「かきたてられる欲望」〜技術革新とマスコミ
11.映像の支配〜「摂食障害」と「車内での化粧」
12.「匿名の権威」と「間接的コミュニケーション」
13.今日におけるアイデンティティの危機〜細分化される他者と自己
14."Sense”の危機〜まとめに代えて〜