言語文化研究 
SAITO TAKEO
斎藤 武生 
4単位 
  
通年 

外国語としての日本語や英語の教育についてそのあり方を真剣(seriously)に考えるなら、「言語文化」の理解は欠かせない。異文化圏の人々の間での真のコミュニケーションが成立するためには、単に記号としてのことばを操るだけでは明らかに不十分である。
問題は「言語文化」とはなにか、という点である。この授業では、日本語・英語の具体例を見るなかで、大学院レベルで求められる言語文化の理解、さらには、近年話題にされることが多くなった「言語文化学」というものについても考えてみたい。
言語研究の重要な一部を占める言語文化研究は最近の認知言語学(cognitive linguistics)との接点も多い。例えば、Anna Wierzbickaや Zoltan Kovecsesなどの NSM(Natural Semantic Metalanguage)を用いた研究とか George Lakoffらの概念メタファー(conceptual metaphor)の研究には注目すべき接点が多く観察される。こうした接点にも十分な注意を払いながら、言語文化研究のあり方を探ることにしたい。