日本語教育文法研究 
IORI ISAO
庵 功雄 
4単位 
  
前期 

日本語学の研究成果を踏まえながら、日本語教育にとって必要な文法(教育文法)とはどのようなものかについて考えていきたい。  

評価方法: 出席、課題レポートなどを総合して評価する。

テキスト名: 庵 功雄・高梨信乃・中西久実子・山田敏弘『中上級を学ぶ人のための日本語文法ハンドブック』スリーエーネットワーク、2001年

参考文献: 庵 功雄『新しい日本語学入門』スリーエーネットワーク、2001年
庵 功雄・高梨信乃・中西久実子・山田敏弘『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』スリーエーネットワーク、2000年
授業中に詳しく触れられない問題については、参考文献を見てください。

注意事項: 受講者の積極的な参加を期待する。 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.教育文法とは(日本語学と日本語教育、誤用分析など)
2.格ととりたて(格とは、格助詞、とりたて助詞など)
3.ボイス(1)受身と使役(受身の種類、使役の種類、受身と使役の関係など)
4.ボイス(2)授受表現(語彙的ボイス、視点、人称など)
5.ボイス(3)自動詞と他動詞(形態的対応関係、統語・意味的対応関係など)
6.「は」と「が」(主題と主語、無題化、使い分けの規則など)
7.テンス(ル形とタ形、タ形の意味など)
8.アスペクト(完成相と未完成相、テイル形の意味など)
9.モダリティ(モダリティとは、対事的モダリティと対人的モダリティなど)
10.複文(複文の分類、条件、原因・理由、逆接など)
11.「のだ」と「わけだ」(「のだ」の用法、「わけだ」の用法、「のだ」と「わけだ」の関係)
12.テキストにおける文法現象(「という」の有無、指示詞、情報のなわばりなど)
13.さまざまなバリエーション(日本語教育と方言、気づかれない方言など)