早期英語教育研究 
TAJIKA HIROKO
田近 裕子 
4単位 
  
通年 
初等英語教育およびバイリンガル教育

小学校では、「総合的学習」の一つの柱である「国際理解教育」の一環として英語教育(あるいは活動)が2002年度に導入された。これは、日本では全く新しい試みであるが、初等教育課程で英語が導入されるケースは世界的には広まりつつある。この授業では、初等およびそれ以前に子どもが外国語を学ぶこと、身につけることについて、前期は主に理論面から、後期は主に実践面から考察する。
 理論的考察としては、子どもの認知発達と言語の関わりから見たバイリンガル教育の基本的考え方について学び、特に年齢要因(臨界期など)について考える。また、広く世界で行われている初等外国語・異文化教育についても知識を広める。実践面としては、日本および諸外国における初等英語教育の教授法、授業展開、教材などについて学ぶ。  

評価方法: 授業への参加度・貢献度、および前後期とも学期末に英文によるタームペーパーを提出

テキスト名: L. Cameron, Teaching Languages to Young Learners, Cambridge University Press, 2001.

参考文献: D. Birdsong (ed.), Second Language Acquisition and the Critical Period Hypothesis, Lawrence Erlbaum, 1999.
J. Cenoz & F. Genesee (eds.), Beyond Bilingualism: Multilingualism and Multilingual Education, Multilingual Matters, 1998.

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.前期は主に次の3つのテーマについて考察する。
.早期英語教育の基礎理論(子どもにとっての母語と第二言語の関係、年齢要因、子どもの心理・情意・認知発達の過程、第二言語習得の過程など)
.世界の初等英語教育の実際(アジア諸国、世界におけるバイリンガル・マルチリンガル教育、日本国内の日本語を母語としないコミュニティの子どもたちなど)
.世界(英語圏)における多文化教育の今(異文化理解教育、多文化交流、多文化共生、新しい文化への適応、少数言語・文化の維持など)
2.後期は主に次の2つのテーマについて検討する。
.早期英語教育のための実践的教材、シラバス・デザイン及びカリキュラム検討(content-based approaches / task-based approachesおよびイマージョン教育を中心として)
.早期英語教育における実践的クラスルーム・アクティビティ(story telling; rhythm/intonation/stressの指導など)