英語学研究(統語) 
HASEGAWA NOBUKO
長谷川 信子 
4単位 
  
前期 

授業の目的は以下の三つとするが、各学生の興味や研究目的によって、その三つの目的への重きの置き方は変わってくる。
英語の文法体系(統語syntax)を最近の生成言語理論に則して把握し、様々な文法現象を一つ一つ独立した現象として捉えるのではなく、言語全体、英語全体の体系のなかでどのように位置づけられるのかを考察する。そうすることにより、英語の教科書や(教育)文法書・参考書で使われる文系や構文に対し、より大局的に構造を考察できるようになる。それは、文法研究の基礎となるだけでなく、英語教育における(教師の側の)文法の捉え直しの機会となる。
英語の文法体系を通して最近の生成言語理論を理解し、理論研究の基礎を養う。ことに、データの考察を通して、分析法、論証法を学ぶ。
生成文法理論の枠組みでの高度な研究論文を読みこなし、かつそれらを批判的に検証するに必要となる理論的背景を培う。それにより、上記の目的を達成するだけでなく、将来にわたって、先行理論研究を自らの研究目的に添った形で活用できるような素地を養う。  

評価方法: (ほぼ)毎週出される宿題(60%)
  学期末にTake-Home試験(40%)
【宿題について】
  ・主にテキストのExercisesの中からいくつか選んで課題とする。
  ・遅れたassignmentは受け付けない。
  ・解答は全て(指示がない限り)英語で書く。
  ・できる限りワープロ使用のこと。英文の論文の書き方の基本に従うこと。とにかく英語でポイントを明らかにしつつ論じる技術を磨くことが、宿題を提出することの一つの大きな目的なので、例文や構造で明らかと思われる場合も必ず自分の英語で説明を書くこと。

テキスト名: Peter W. Culicover, Principles and parameters: An Introduction to Syntactic Theory, Oxford University Press, 1997.
金子義明・遠藤喜雄『機能範疇』(英語学モノグラフシリーズ8)研究社、2001年