比較文化研究演習-4 
HONDA SEIJI
本田 誠二 
4単位 
3〜4年 
通年 

この授業はスペインの文学・思想、さらに広くスペイン文化一般をより深く研究したいという学生を対象に、少人数制のゼミナール形式で行われるもので、個別的な指導を与えて四年次の卒業論文作成まで導いていく。今までに扱ってきた共通テーマは「スペイン文学における〈愛〉の思想」、「スペイン牧人小説(『ラ・ガラテア』、『ラ・ディアナ』)」「セルバンテスの小説理論」等である。今年はレオーネ・エブレオの『愛の対話』をはじめとするルネサンス思想や、セルバンテスに影響を与えたエラスムス思想について扱う予定である。その道案内となるのがアメリコ・カストロの卓越した著作『セルバンテスの思想』である。したがってこれを読み解く中で、スペインルネサンスの実体を把握し、さらに黄金世紀文学の理解へとつなげていきたい。これがスペイン文化一般を理解するための手がかりとなるはずである。またラテンアメリカ文学とりわけオクタビオ・パス、ボルヘス等に関心のある学生も歓迎する。  

評価方法: レポートおよび発表点、平常点を加味して総合的に評価する。

テキスト名: アメリコ・カストロ『セルバンテスの思想』ノゲール、1972年
テキストは必要箇所を和訳したものをコピーで配布する。

参考文献: レオーネ・エブレオ『愛の対話』平凡社、1993年
エラスムス『痴愚神礼讃、対話集』中央公論社、1976年

注意事項: 履修者はあらかじめスペイン史、スペイン文化研究、スペイン文学史、現代スペイン文学、ラテンアメリカ文学等の関連科目を履修していることが望ましい。