ブラジル総合研究II 
KOYASU AKIKO
子安 昭子 
2単位 
2〜4年 
後期 
コントラストのあるブラジル経済を理解する

ブラジル経済は1990年代に大きな転換点を迎えた。すなわち30年代から続いた輸入代替工業化が80年代の債務危機、その後の経済停滞によって終わりを遂げ、多くのラテンアメリカ諸国のように経済自由化の時代へと進んだからである。90年代半ばには経済安定化、そして経済成長路線へと明るい兆しが見え始めたが、現在はアルゼンチンやベネズエラなど近隣諸国の経済不安などの影響もあってブラジル経済は依然として不安定な状態にある。貧富の格差などの社会問題については早急に取り組むべき課題である。しかしながらその一方で米州地域の経済統合(FTAA)のリーダー的存在であり、欧米諸国の企業が活発な投資活動を行っている。本講義を通して、30年以降の経済発展の足跡を辿りながら「コントラストのあるブラジル経済」に対する理解が深まることを望む。  

評価方法: 出席と期末テストによる総合的評価。

テキスト名: 授業内で随時紹介する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.9/22 授業の進め方とイントロダクション
2.9/29 1930年代以前―植民地経済からコーヒー経済へ
3.10/6 輸入代替工業化の開始
4.10/20 戦後の積極的な工業化
5.10/29 停滞と経済ブーム
6.11/10 累積債務問題
7.11/17 ハイパーインフレ
8.12/1 民主化後の経済政策(クルザード計画からコロル計画)
9.12/8 レアルプランと経済安定化
10.12/15 メルコスル、FTAA―ブラジルをとりまく地域主義
11.12/22 企業のブラジル戦略とブラジル企業とグローバリゼーション
12.1/5 予備日
13.1/19 期末テスト