日本芸道史 
UOZUMI TAKASHI
魚住 孝至 
2単位 
1〜4年 
前期 
芸道思想の成立

日本の芸道の流れを簡単に見た上で、本格的な芸道論を展開した世阿弥の能芸論を問題にする。『風姿花伝』の主要部を読んだ後、『花鏡』以降の展開を見る。世阿弥晩年には禅の影響も強いが、室町後期の水墨画や枯山水の庭等や禅文化を見た上で、茶の湯の成立とその論を見てみたい。随時ビデオ・図録を利用する。  

評価方法: 講義後の感想、中間のレポート、期末試験

テキスト名: 世阿弥『風姿花伝』岩波書店

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.はじめに 日本芸道の概観
2..王朝的美意識−『源氏物語絵巻』の世界
3..中世的美意識の誕生−隠者西行と『西行物語絵巻』
4..中世的美意識の誕生−隠者兼好と『徒然草』
5..芸道思想の成立−世阿弥の能芸論
6.能という芸
7.『風姿花伝』第一巻−第三巻
8.『風姿花伝』第三巻−第五巻
9.『風姿花伝』第五巻−第六巻
10.後期能楽論『花鏡』
11..禅宗文化の展開−『十牛図』
12.水墨画の展開−雪舟から等伯へ
13..茶の湯の文化−珠光から利休へ
14.茶の湯の理論−『山上宗二記』と『南方録』
15.まとめ 日本の美意識の形成